2013年5月18日
群馬県の草津白根山に行ってきました。標高は2160mです。
白根山と呼ばれる山は群馬県に二つあり、それぞれこの群馬県の草津と日光にあります。区別をつけるために白根山の頭に地名を冠しています。
草津と言えば知らない人はいない温泉観光地です。その豊富な湯量は、活火山である草津白根山の恩恵を受けています。
そんな、草津白根山は登山をはじめたばかりの父親と二人で旅してきました。
草津白根山について
火山規制情報
草津白根山 日帰り登山
群馬県の市街地から意外と遠い草津温泉
本日も例によって、実家のある栃木県宇都宮から出発。
ゴールデンウィークの最終日に父親も急にトレッキングを始めたくなったようで、駅前の石井スポーツで靴からザックまで一式そろえました。というわけで、都合の良いドライバーを確保できたわけです。
まぁ、休日はいつもダラダラしてるので少し運動してくれるのはいいことです。
震災直後に開通した北関東道のおかげで、栃木から上信越方面に行くことが随分と楽になりました。
以前までは、信号の多い国道を通って群馬の高崎まで行かなければいけませんでした。
渋滞に巻き込まれることもほとんどなく、北アルプスや上信越、東北、八ヶ岳に行けるので、栃木は登山をするのにとてもいい拠点です。
一つ不満をあげるとすれば、一箇所ものすごく牛糞臭い場所があることでしょうか。
栃木県から群馬県の草津。
隣県なのに…遠い!!!
関越自動車道の伊香保ICを降りてから、下道がなんと60キロあります。
八ッ場ダム(やんばダム)の道の駅で休憩。嬉しい足湯。
このダム建設には色々問題があるようですね。山の中を走る道路が立派過ぎるのは、何かしらの巨額なマネーが動いているのでしょうか。
草津に電車で来ようとなると吾妻線に乗らないと行けません。一度、冬場に青春18切符で行ってやろうと思っていましたが、バスが運行していなく断念したことがあります。
この路線上に岩櫃山という岩山があるので気になっています。
道の途中にあったアフロヘッドみたいな岩が気になりました。
伊香保ICから1時間弱車を進め、ようやく草津白根山が姿を現しました。
火山とは思えない平たい山頂をしていて、雪が残っていて山頂付近は部分的に白いです。
見晴らしの良い志賀草津道路は火山の風景が広がる
草津白根山の中心街をかすめるように進み、志賀草津道路で一気に山頂付近まで向かいます。
火山特有の荒涼とした雰囲気は、冒険心をくすぐられるというかなんと言うか…。
岩石、草原、硫黄の匂い、どれもこれも非日常の世界が広がっています。
薄い雲が掛かる空と薄い雪が残る山のコントラストがとても綺麗です。
草津白根山を訪れるほとんど人の目的は、登山ではなく湯釜(ゆがま)の見学です。
その湯釜を見学するためのコースがある、レストハウスの駐車場に車を停めました。有料410円だったかな?
エメラルドグリーンの火口湖、湯釜見学
目的は本白根山の登山ですが、湯釜とは別のコースになるので、駐車場から片道10分で散策できる湯釜を目指します。
駐車場からは、このように階段が続いています。観光バスが続々と到着し、観光客が登ってきます。
最高峰の本白根山は道路を挟んで湯釜とは反対側になります。
後を振り返ると北アルプスの白い稜線が見えました。
うちの親父さんはこの坂で既に音をあげていたんですけど…。
湯釜展望台に到着です。
300mくらいは離れているのかな?世界でも有数の酸性度を誇る湖らしいです。
標高2000mのどでかい風呂ですね。泳いでると体が溶けたりするのかな…。
立ち入ることはできないはずですが、湖の手前にケルンが積んであるように見えるのは気のせいでしょうか。
エメラルドグリーンというよりはチョコミントアイスのような色をしています。とても自然の色とは思えません。
ちなみにこちらは、去年の7月に行った宮城県の蔵王岳にある湯釜です。蔵王の方が緑色が強いですね。
湯がマニアとしては全国の湯釜を押さえておきたいところです。
これ以上あるのか知りませんけど…。
ウィンタースポーツをやらない自分にとって、志賀高原はあまりなじみがないのですが、奥には面白そうな山がありそうです。
湯釜の階段脇の斜面はまだまだ雪が残っています。
この斜面にはポールが立っていて、スキーで滑っている人たちがいました。この青空の下、自力で登って滑るのは暑いようで、皆薄着で滑っていました。転んだら痛いだろうに…。
一度、駐車場に戻り本白根山を目指します。
ここで注意は、草津白根山の最高峰である本白根山は火山ガスの発生地帯のため立入禁止になっています。そのため、遊歩道の最高地点を目指すことになります。
駐車場から道路を挟んだ場所に本白根山の登山口はあります。
残雪がある本白根山に向けて登山開始
駐車場から一山、標高2109mの「逢ノ峰」があるのですが、ここは迂回路を使用しました。
湯釜の坂でばてていた親父さんが、とても登れるとは思えなかったので…。
湯釜の道とは違って登山道はたくさんの雪が残っていました。迂回路を半周した先には、白根火山ロープウェイの山頂駅があります。
その山頂駅からは逢ノ峰に1本とその反対の斜面に2本リフトがありました。
標高2000m越えのゲレンデ…ちょっと滑ってみたいです。
父親はこの分岐点でリタイア。
迂回路をそのまま進んでもらい、駐車場まで戻ってもらいました。
さて、ここからはぼっち登山です。
すぐに戻ってくるぜと駆け足でスタートしましたが、かなりの残雪量で足をとられ、息をすぐ切らしてしまいました。
罰が悪いので木の陰で呼吸を整えて再スタート。
真っ直ぐ歩けば山頂だぜ!
が、迷う。
夏道の歩道はほぼ雪に埋もれていて、たまに階段や看板が露出しているだけでした。ひたすら直進していたら隈笹の中に迷い込んでしまいました。
地図で等高線や方角を確認し、白根山の正規ルートの方へ歩いていきます。
樹林帯に迷い込み、これ以上高い場所がないところまで、到着しましたがルートは見つからず…。
下のほうから登山者の声が聞こえたので、そちらの場所へ。
雪の斜面を滑り降り、なんとか登山道へ合流。
危険な雪のトラバースを通過します。
残雪の草津白根山侮れません…。自分以外にも何組か迷い込んでいました。
後で地図を確認するとどうやら先ほどの場所は、立入禁止の本白根山だったのではないかと…。
トラバースを抜けると、見晴らしの良い火口に出ました。
写真では伝えられない規模感。
緑化が徐々に進んでいるのかな?同じ火山の那須岳や御嶽山は火口に植物はほぼ生えていませんでした。
日当たりの良い場所なので雪は溶けていて、木道がきちんと姿を現してくれました。
そういえば、山頂が立入禁止なのは浅間山も一緒だなーと思っていると、目の前に浅間山が現われました!
あーすごい偶然だなー(棒)
これは4月に言った荒船山から見た浅間山です。
軽井沢から見ると単体でそびえてる浅間山ですが、横から見ると風の谷のナウシカのオームのように横に長いんですね。
これが本来の浅間山の姿なのか…。
遊歩道の最高地点はあの土が露出している斜面です。
標高2150mの本白根山の山頂、ただし山頂ではない
というわけで、本白根山(本白根山遊歩道の最高地点)に到着です。
さっきはあの本白根山の上で迷っていたのかな?
栃木から来てるのに随分長いこと掛かりました…。火山のため樹林はなく、見晴らしがとても良いです。
先ほど周回した火口の全景です。湯釜方面と比べると緑が多いです。
時間は12時前だったので、ここで母親が作ってくれたおにぎりを食べました。
梅干を散らしたおにぎりですが、めんどくさがったのか種がそのまま残っていました。それも2個も…。
妙高山などがある上信越方面はまだまだ山頂は真っ白です。
一人ということもあり、周回するコースを通ることもなく駐車場まで足早で戻ります。
くだりの時は流石に迷いませんでしたが、踏み後がないまま急に曲がったりするので、見失いやすい道です。
帰りは、アスファルトを通って駐車場に戻っても良かったのですが、なんとなく逢ノ峰を経由しました。
逢ノ峰山頂から見える湯釜がある火口。肝心の中身が見えません。
火口の向こうには、標高2305mの志賀高原の中心的存在である横手山。
駐車場の横には弓池があります。ここには簡単に回ることができる周回コースがありました。
アルペン的な清涼感溢れる風景です。
レストハウスでくま笹ソフト(抹茶味)を食す
若干迷いもしましたが、往復2時間半の登山が終了。
再びレストハウスへと戻ってきました。
出発時から気になっていた「くま笹ソフト」
昔、笹茶というのを飲んで、苦味とえぐみに噴出した記憶があるので、躊躇いましたがここでしか食べられないということで購入。
未知の味への挑戦…。
ペロ
こ、これは…
まごうことなき抹茶味でした。
このまま帰っても良かったのですが、時間はまだ13時前。
「う~ん。」
おもむろに地図を広げると、先ほど見えた横手山が載っています。
- コースタイム片道30分
- 展望抜群
- 300名山
- 日本一高所のパン屋さん
行かない理由を探す方が無理ってもんですよね。
志賀高原道路をさらに北へ進めます。
途中、雪の回廊になっている場所があってビックリしました。
横手山に到着。
が、驚いたことにゲレンデがナチュラルに営業中でした。リフトで登れるのかなと思い訪ねてみると観光客の使用はできないみたいで断られました。
山頂のヒュッテで買い物をするならば、雪上車が迎えに来てくれるそうです。
昼ごはんは食べてしまったので、雪上車を呼んでもらうのもあれかと思い、ゲレンデから少し進んだ場所にある別の登山口から登ってみます。
父親は慣れない運動で昼寝モード。
横手山登山
ゲレンデの下から登る横手山
完全に自己満足の登山ではなかろうか…。
ザックは置いていき、財布と携帯そしてペットボトルだけを持って身軽にスタートしました。
急斜面ですが、日当たりが良く登りやすい登山道です。なんだこれなら楽々山頂についてしまうな。
と思いきや登山道は樹林帯へ伸びていて、全く道がわからない…。
上空からはリフトに乗っているスキーヤーに奇異の目で見られ、踏み抜くこと数十回。アイゼンを持ってきていたのなら、迷わず使用するような危険な斜面でした…。
なんでこんな斜面を必死に登っているのか…。
出口のない自問自答をしながら登り、建物が見えた瞬間非常にホッとしました。
横手山の山頂に到着。
看板が埋もれていて、どこが本当の山頂だかわかりません。
二つのゲレンデの終点になっているので、ポロシャツで登山してくる死に急ぎ野郎は自分くらいなものでした。
日本一高いところににあるパン屋
そして、ここが標高が日本一のパン屋さんのある横手山ヒュッテ。看板にはちゃんとベーカリーと書かれています。
中に進入。
この時期はゲレンデのレストハウスになっているので、ウェアを着込んだ人が大勢昼食をとっていました。
パンのラインナップはこんな感じです。惣菜パンに近い感じで価格帯は200円~300円が相場?
せっかくなので林檎クリームパンを購入しました。
懐かしの瓶コーラの自販機があったので、展望の良いベンチにて一気飲み。
想像以上に疲れたため、すっかりペットボトルの水は空になってました。
ヒュッテで買われている白いお犬様にも白い目で見られました。
帰りは先ほどの道で帰る勇気はなく、ゲレンデの脇道を通り下山。
山頂から父親に電話し、車を回してもらうことに。横手山縦走ってやつです。
標高2300mに芽吹くふきのとう。遅咲きの春がはじまっていました。
というわけで、横手山の登山が終了。
さっさと帰ることにします。
西の河原温泉で、だだっ広い露天風呂を浴びる
草津白根山を降りて草津の温泉街へ。
草津まで来て温泉に入らないなんて、あんぱんに餡子が入ってないくらいにありえません。
数ある草津温泉の日帰り入浴から選んだのは西の河原露天風呂へ。
駐車場から温泉まで10分くらい歩くのがネックです。
夏場だと温泉入って戻ってくる間にまた汗だくになってしまうのでは…。
途中、桜がまだ咲いてました。
男湯は外から丸見えでした!
料金は大人500円です。流し場はなくかけ湯のみ。
かなり広大な露天風呂で開放感溢れる、いいお風呂でした。
温泉が山の方から川になって流れてきていました…。
西の河原公園は、観光客で混雑していました。流れている水は全部温泉なんだぜ。
温泉に入った後は、草津の中心街を車で通り抜けてみました。
中心地に進むに連れてものすごい人の数。
地方にはどんどん廃れいる温泉郷があるのに、草津はそれとは無縁ですね。
草津といえば必ず出てくる湯畑もちゃっかり見学してきました。
またまた、草津から下道をずーっと走ります。
途中で寄った道の駅。
草津は先月に行った神津島の姉妹都市らしいです。神津島にそんな気配は全くなかったぞ?
神津島名物「赤いかの塩辛」が売っていたので迷わず購入しました。
高崎に戻ってきたときは19時前だったので、夕食を食べることに。高崎はスパゲティーの消費量が日本一で、「パスタの街」というのをごく最近知りました。
市内にはスパゲティー屋がたくさんあります。その中でも一番有名なシャンゴ。
お値段700円ほどで結構なボリュームのスパゲティを食べることができます。
満腹になり、再び北関東道に乗り栃木へと帰りました。
草津白根山の登山を終えて
温泉といえば草津。草津といえば白根山。
草津白根山は日本百名山に選定されています。その中でも、比較的容易に登れる百名山です。自分が登った中で楽だった順は…
の順で、草津白根山は4位といった感じです。
どの山も最短コースなので、ルートを選べばもっと長いコースを歩くことができますが…。
草津白根山は観光地の山という感じで、散策路も多く登山初心者でも楽しめます。温泉地と火山の組み合わせという雰囲気で、栃木の那須岳や宮城県の蔵王と似ていますね。
一部の樹林帯で残雪が多く苦労したので、この時期に登る場合はちゃんとした装備が必要です。もちろん、地図は必ず持って行きましょう。
久々に一日に二つの山を登りましたが、完全に横手山は蛇足でした…。雪のない時期ならまた違ったのでしょうが…。
今度、来たときには散策コースを十分に堪能したいと思います。そして、この山をまともに歩けるくらいは父親を鍛えないと…。
コメント
あの湯釜は不思議な色ですよね
私は観光シーズン真っ只中に行ってしまったので
あまりの人の多さに辟易してしまい
遠くから眺めるだけでした。
間近で見てみたいものです。
笹にパンダちゃん
いいですね。
>すんこさん
草津の温泉街はちょこっとしかのぞきませんでしたが、観光客が路地にたくさんいました。道幅の狭い中心街を車で通り抜ける時にだいぶひやひやしましたよ。
湯釜も早朝からガンガン観光バスが到着していて、えらい賑わっていました。
立入禁止のようでしたが、雪の積もる冬場は行っちゃっていいのかなと思っていたりします…。
酸性濃度が高いと聞くので入ると溶けちゃうのですかね!
あれ?今度はお父様と行かれたんですね~♪(笑)
仲良しでいいですね~♪
湯釜?初めて聞きました。初めて知りました。
私も湯がマニアになっちゃいそうな位魅力的ですね☆
ホント、冒頭の写真が美味しそうなミントブルー☆と思いました。
草津温泉と湯釜と登山と、観光と登山を満喫できる大満足コースですね!♪
>heartyさん
草津白根山は誰でも山を登った雰囲気を味わえるので、草津に行くことがあれば是非湯釜まで行ってみてください。
マイカーがあればドライブをするだけでも楽しいかもしれません。
時間があれば中心街を歩いてみたかったのですが、高速から草津が遠くて遠くて…。
いつも拝見しています。
塔ノ岳の記事を見てGWに行ってきました!
めちゃ感動でした。
来週触発されて白根山行ってきますw
>ゆうていさん
コメントありがとうございます!
塔ノ岳は自分もまた登りに行こうと思っています。変化もあり面白いですよねー。
白根山はコースにもよりますが、観光と登山を半々くらいの気持ちで登ってきてください。
下山後の温泉も忘れずにー。
こんにちは。さて、今回は草津白根山に行ってまいりました。
天気が良くないのとGWあけだったので、登れなかったら観光に切り替えようと思うくらいの気持ちで行ってまいりました。
案の定白根山に近づくにつれガスガスで眺望きかず。これはダメだと早々に諦め次回につなげようと下見に切り替えました。ロープウェイもGWあけで㋄いっぱい点検休業。
レストハウスのある駐車場も今は火山規制の為止められない模様です。
そのまま渋峠までいき、長野側は晴れていたので途中の見晴らしの良い高台で展望を楽しみました。草津自体初めてだったので湯畑等観光し、西の河原温泉に入ってまいりました。これはこれで充実した旅になりました!来週は会津駒ケ岳にチャレンジする予定です!
こんにちは。
毎度コメントいただきありがとうございます。草津は登山以外に2回行っていますが、いい観光地ですね。
コマクサが群生する時期や名前は忘れてしまいましたが、湿原を巡るのもいいですね。
本格登山という印象のない山ですが、掘出し物のルートがありそうです。
会津駒ヶ岳は一度行っていますが、再訪したい山の筆頭です。