2015年11月22日
山梨県の扇山に行ってきました。標高は1138mです。
大月市と上野原市の境にあり、秀麗富岳十二景の一座です。中央線の鳥沢駅から路線バスが出ており、山頂まで登山口から1時間弱と言うことで、ハイキング以上、登山以下というレベル感です。
日照時間が短いので、登山時間が短い山を選択しました。山頂で美味しくご飯を食べ、麓にある謎の君恋温泉(2020年時点閉館)に入り、帰りに宴会を楽しんできました。11月下旬の寒空の下、秋から冬に移り変わる山梨を旅してきました。
扇山について
地図
鳥沢駅から梨の木平にある登山口を出発し、恋塚(君恋温泉)に降りるルートです。帰りは四方津駅です。扇山と百蔵山を縦走する登山者が多いです。
コースタイム
- 10:06梨ノ木平
- 11:41~14:31扇山
- 15:32恋塚・君恋温泉
行動時間は5時間26分でした。
山頂の食事で2時間50分も費やしているので参考になりません。扇山を普通に登山したら、3時間前後で終わると思います…。
扇山 日帰り登山
中央線に揺られ扇山の最寄り駅である鳥沢駅へ
11月下旬ともなると日照時間は短く、気温も低くなるので、登山に出掛けるのがより億劫になる時期です。しかしながら、紅葉は低山1000m以下で全盛で、多くの登山者が山へと出かけます。
山梨へ行くには高尾駅で中央線を乗り換えることになるのですが、高尾山の登山客で溢れ返っていました。
流石、世界一登山されている山です。
紅葉ピークの高尾山、混雑は基本的に嫌ですが、やはりピーク中のピークにおける混雑ぶりを体感してみたいというのはあります。
中央線で高尾駅を過ぎると山の風景へ。
鳥沢駅(9:18)
高尾駅より中央線に揺られること40分~50分で鳥沢駅に到着しました。
鳥沢駅は扇山以外に中央線を挟んで反対の高畑山の登山口のある駅なので、登山者が10数名ほど下車しました。
鳥沢駅から路線バスで登山口まで行く予定だったのですが、人身事故で電車が遅れてしまい、扇山ハイキングバスを逃してしまいました。
というわけで、4人だしタクシーを呼び、登山口まで移動します。歩いても45分程度ですが、人数もいることですし。
富士山が見える紅葉の登山道
「梨ノ木平扇山登山口」バス停に到着。
扇山の登山口には水場と公衆トイレがあります。
基本的に大月周辺のエリアは登山客が少ないので、トイレ設備がないことが殆ど。扇山に訪れる登山者の多さを物語ります。
登山口からは既に富士山が見えています。11月下旬ということもあり、まだまだ雪の付き方が3分程です。
山梨県の森林は県全体の78%。道理で東京と隣接していながら、自然豊かド田舎なわけだ…。
梨の木平(10:06)
準備を終えて、登山開始です。扇山くらいの歩行時間と晩秋の低い気温であれば、ペットボトル一本、おにぎり数個、防寒着があれば事足ります。が、山頂で料理するための食材が重いわけです。
開始直後は植林された杉、いつもの樹林帯風景が展開されます。
傾斜は緩やかで歩きやすく整備されています。山頂までは1時間20分~40分程のコースタイムなので気楽です。
山ノ神社の奥宮祠がありました。
鳥沢の山間集落にある神社の奥宮でしょうか。苔が付着していなかったので、数年以内に設置されたものでしょうか。
山の中にある神社は、麓集落に移住してきた人が、移住元の神様を祀るために神社を建設していたりするのでルーツを辿ると面白そうです。
とか、遥か昔の歴史に想いを馳せながらえっちらおっちら登ります。
登りの中盤に水場がありました。
ゆうちゃんとはアルプスや遠征はよく行きますが、近郊の山梨に行くのは甲州高尾山ぶりとなった。
甲州高尾山は見どころも多く、良い山なのでチェックしてみて下さい。
屋久杉とか天然杉は別として、一年中緑を保ち、春先に花粉を放出する植林の杉は、登山的には退屈なのです。
上部まで登ってくると植林の隙間に落葉樹の紅葉が見られました。
そう、こういうのを待っていたのです。
樹林の隙間からは富士山が見えてきました。
登山口で見えてたけど。
毛の生えかけた中学生のような中途半端な雪の被り方ですが、これも一時の富士山の姿として見ることができて良かったと思います。
富士山の山頂では真冬がはじまっている一方で、黄いろに色づくカエデを見ながら秋の風景を楽しむというのが乙なものです。
登山道は針葉樹と落葉樹が交互に変化します。
800mから1000m付近は落葉がはじまっており、落ち葉が登山道を覆い隠していました。
ザクザクと音を立てながら歩くのは気持ちよい一方で、道迷いの起因になったりするので厄介です。
北風によって吹き飛ばされた落ち葉一つ一つが、重なり合って陰影をつくっています。何年も落ち葉が堆積して、土を作り、木を育てて、一つの山を作っているという、教科書で習ったことを思い返します。
歩き始めて1時間20分ほど経った頃に稜線に出ました。左に行くと百蔵山まで縦走が可能です。
稜線上には辛うじて残っている紅葉が目を引きます。
稜線は落ち葉の海になっており、道幅は広く、5人~6人が横に並んで歩いても十分なほどです。
扇山の山頂は広く、富士山の好展望
扇山山頂着(11:41)
登山口を出発して1時間20分、ほぼコースタイム通りに山頂に着きました。扇山の山頂はとても広く、芝生の面積も多いので、多くの登山客がご飯を食べていました。
秀麗富岳十二景の看板。六番目の山頂です。
正面には富士山がそびえており、展望は抜群です。
富士山と反対側の景色は…奥多摩の方かな…?
平らになっている部分は霜が溶けて少しドロドロしていますが、芝の上は大丈夫。レジャーシートが活躍します。
結構な数のパーティーがいて、腰を下ろして、火器で食事を作っていました。
シチューとホットサンドでクリスマス風ランチ
我々も食事の準備を開始します。キャンベルのクラムチャウダー缶で作るお手軽シチューです。
彩のために紫キャベツを入れてみたが、とんでもない見た目になってしまった。
しかし、某海賊漫画では何でもシチューに入れていいという風潮なので、それを信じるしかない。
そして、何かと重宝されるホットサンド作りも開始された。
便利で自分も欲しいのですが、自宅では使う機会がなさそうで購入に戸惑う。食べるとめちゃくちゃ美味しいんですけど。
熱々カリカリのパンの中から、チーズが糸を引く姿に思わず歓喜です。
シチューも無事茹で上がりました。
紫キャベツはシチューに入れても紫キャベツのパリパリ具合を発揮してくれて、今ひとつ馴染まなかったので、シチューには向いてない食材の模様。
一応、クリスマス感のある食卓になりました。全体的にホットサンド、ロールパン、バームクーヘンという粉ものかぶりによりボリュームがやたら多くなった。打ち合わせは大切です。
モンブラン大福は鳥沢駅前の「いろはや」という和菓子屋で買いました。
食後は片づけて、レジャーシートを敷いてダラダラし始めました。満腹で動けないのです。
大月市が設置した看板。
山梨百名山でおなじみの看板。山頂には、二つの看板があります。秀麗富岳十二景を含めると三つか。
しばらく山頂でダラダラしていると高層にうろこ雲が発生して、少しだけ暗くなってきました。
ここ一番のジャンプを決めるゆうちゃん。体のねじり方がどうなっているのかよくわからん具合に。
先程までは青空に映えていた富士山でしたが、太陽が隠れセピアカラーの物悲しい雰囲気になっていきました。
気温も下がり、周りにいたパーティーもだいぶいなくなったため、下山を開始します。
遊び過ぎた扇山から落ち葉で滑りながら下山
扇山山頂発(14:31)
登ってきた方とは反対側の道で下山を開始します。
少し暗くなりかけているのと落ち葉で、登山道がわかりにくくなっているため、進む方向は慎重に決定します。
扇山の下山路は3つほどあります。
下山は君恋温泉で、看板が頻繁に設置されていました。10個以上はあったような?
落葉の下山路は足が取られやすいので注意が必要。2回~3回ほど転びそうになりました。
地図上にある大滝不動に到着。
赤いちゃんちゃんこを着たお地蔵さまが非常に不気味です。
君恋温泉の看板は頻繁に見かけます。大月周辺には日帰り温泉施設はほぼ皆無と言っていいので、非常に珍しい存在です。
道中に滝がありました。名前はわかりませんが…。
登山道の最後はとてつもなく急な階段がありました。
君恋温泉の看板はひっきりなしに登場。余程、利用してもらいたいのでしょう。
畑のど真ん中を歩いてくるともうすぐです。
「君恋温泉」って名前が、携帯小説かライトノベル小説のタイトルっぽい…。「君恋」ってタイトルの小説があったら、恋人が重い病にかかって亡くなって、大人になってその愛に気付くみたいなストーリーができるやつ。
民宿のようでほぼ民家、謎の君恋温泉で入浴
君恋温泉(15:32)
君恋温泉に到着です。どう見ても民家です。恐る恐る玄関に入って、「すいません、お風呂やってますかー?」と訪ねると奥から、女将さん(?)がやってきて案内してくれました。
案内されたお風呂はこちら。
温泉と言うか沸かし湯というか、ちょっと大きい民宿の風呂と言う感じでした。な、なるほど…。山の中にあれだけ看板が設置した割にという感じですが…。ちなみに女湯は湯が熱すぎて入れなかったようです。
入浴後に畳の休憩所スペースで待っていると、味噌田楽をサービスしてくれました。温泉に入って初めてかもしれない、こういうサービスは。
君恋温泉に入ってからはバス停まで歩いて駅に向かっても良かったのですが、「4人もいるし、ねぇ?」ということになりタクシーを迎車。
四方津駅(16:50)
すっかり暗くなってしまいましたが、四方津駅(しおつえき)に到着です。
17時に到着した電車に乗って、東京方面へと移動します。
立川の「餃子のさんくみ」で反省会
近場の登山と言えば、途中駅で下車して反省会です。立川駅に降り立ちました。奥多摩や高尾山帰りの乗換駅でもあるため、ザックを背負った登山者グループをちらほら見かけます。
立川と言えば餃子の街ということでおなじみですが、本日利用したのは「餃子のさんくみ」という店で、立川駅から少し歩いた場所にあります。
乾杯です。電車利用と言うのは公平にアルコールを摂取出来て良いです。
黒豚餃子は肉汁したたるジューシー系で、登山後の胃袋に染み渡ります。ああ、餃子は本当に美味しい。
唐揚げも推している店だったので注文。
餃子に加えて、唐揚げまで美味しいとなると、マリオにスーパースターを与えた状態と言える。
そして、お気に入りとなったのが博多名物の炊き餃子です。濃厚な鶏がらスープに餃子が入っています。寒い季節にピッタリの食べ方。博多に行きたくなるな…。
炊き餃子は、餃子を食べ終えるとラーメンを入れてもらえます。これが美味しい。予約してでも立ち寄りたい店となりました。
忘年会シーズン。学生の街である立川の駅前は若い層で賑わっていました。ザック抱えた我々は気配を殺しながら、11月の寒空の下、それぞれの街へと帰っていくのでした。
扇山の登山を終えて
人によって低山と高山の定義が異なります。
標高1500m前後の山が連なる丹沢山地を低山とする人もいます。標高1500mは日本全体の山で見ると平均的に高い山なので、自分としてはピンと来ません。今回登った扇山は標高1138mで、高山でもなければ、低山でもないですよ。中央道で大月周辺を走っていると高い山が並んでいるという感覚があります。
海抜からの高さでも見た目が変わってくるので、海から伸びている鳥海山、伯耆大山などはアルプス以上に高く見えるかも知れません。
自分なりに標高を基準に低山と高山を定義するならば…
低山は東京スカイツリー(634m)以下、高山は金峰山(2599m)以上です。
何となくです。
扇山は登りも下りも短く、尚且つ富士山の展望が良い山です。
高尾山や大山などの都内近郊のメジャーどころを離れ、登山客がほどほどの数で楽しめる山かと思います。秀麗富岳十二景を二つ巡れる百蔵山との縦走をしてみるのもいいかもしれません。
5月にツツジが咲くことでも有名なので、次に訪れるときは新緑を楽しみに来ようと思います。
百蔵山の登山記事
百蔵山の登山記事もご一緒にご覧ください。年明けの2016年のお正月に行っています。
コメント
「君恋温泉」?(*^^*)ゾクゾクソワソワ
Veryblueさんといっしょに
と、思ったけど、止めとく。ネーミングは良いのにな。
「毛の生えかけた中学生のような中途半端」な雪を被った富士山も
好きです。広島県民はうらやましい!
次も楽しみに待ってます。
>やま子さん
名前は嬬恋みたいでブランディングありそうでしたが普通の民家でした。
広島県は今年行く予定だったのですが、予定が合わず行くことが叶わず…。少し暖かくなったらいくつもりです。