2022年4月2日
神奈川県秦野市の渋沢丘陵・震生湖コースと弘法山公園・吾妻山コースの2つのコースに行ってきました。
小田急線の秦野駅周辺にある標高100~300mの丘陵地帯です。3月下旬~4月上旬に桜が見頃を迎えます。吾妻山公園の展望台は桜の名所で、桜並木と一緒に富士山と丹沢の山々を見渡せます。
登場人物が現代医学では治療できない難病にかかる「余命系の映画」に必ず桜が登場するように、桜は開花して散るまでの寿命はとても短いです。
いつも桜の季節を見逃してきたので、2022年の春は桜登山をノルマ3回と設定し、まず第1弾として、神奈川県秦野の丘陵地帯を旅してきました。
渋沢丘陵~弘法山公園について
地図
コース | 標準歩行時間 | 距離 | 補足 |
---|---|---|---|
渋沢丘陵・震生湖コース | 2時間5分 | 7.5km | 渋沢駅から秦野駅 |
弘法山公園・吾妻山コース | 2時間10分 | 7.4km | 秦野駅から鶴巻温泉駅 |
コースタイム
- 09:09渋沢駅
- 09:53八国見山
- 11:04震生湖
- 12:49秦野駅
秦野駅前のラーメン屋でお昼休憩
- 13:11弘法山公園入口
- 13:50権現山(展望台)
- 15:28鶴巻温泉
行動時間は6時間19分でした。
かなりのんびり歩いているのと、昼休憩でお店に立ち寄っている時間も含みます。
渋沢丘陵・震生湖コース
渋沢駅から歩いて、8つの国と富士山が見える八国見山
小田急線の渋沢駅までやってきました。小田急線では一番標高の高い駅(標高163m)だそうです。
今回は、中学時代からの友人のマッチ君と登ります。磐梯山を縦走した時以来、2度目の登山です。
北口は丹沢の大倉に向かう登山者がたくさんいましたが、反対側の南口には登山者は皆無でした。渋沢丘陵に向かうハイキング客は少ないようだ…。
ZARDの坂井泉水さんは、「揺れる想い」、「負けないで」が売れている間も、小田急でレコーディングに通っていたようです。アルバムはダブルミリオン売れてたはずなのに…。
丹沢を縦走してきた人たちは、必然的に「負けないで」を聞くことになり、マラソンで武道館を目指す感覚が味わえるとか何とか。
渋沢丘陵へ向かって山の方へと歩いていきます。渋沢丘陵はコース入口が色々ありますが、我々は八国見山へと向かいました。
案内板には「渋沢丘陵」とはなく、震生湖方面へと歩いていきます。字が薄くなった看板には「矢倉沢往還」、「平安・鎌倉基幹道」とありましたが、昔からある街道の名称か何かだろうか。
高台の場所まで来ると、四方を山に囲まれた秦野市の街、大山から塔ノ岳へと続く丹沢表尾根が一望です。
渋沢丘陵はほとんどが舗装道なんですけど、自然は豊かです。4月ともなると新芽が芽吹いて、ようやく山にも春が来たって感じです。
八国見山の分岐まで来ました。
可愛らしい手書きイラスト付きの看板が立っていました。イラスト通りであれば、富士山が見えるようです。
ここからは登山道に変わり、ぬめっとした泥の道を進んでいきます。
木にぶら下がった山頂看板が見えてきました。
富士山と八つの国が見える(見えない)、八国見山の山頂
標高319mの八国見山に到着しました。
その名の通り、山頂から8つの国(旧国)が見えたことに由来するようです。鎌倉の六国見山、箱根の十国峠など、この系統の名前がつけられている山って、現代では木が育っちゃって見れない場合が多いけど。
富士山の方角だけ切り開かれているナイスビュースポット。
正面にある山はなんだろ…。坂道が桜が咲いていて、山頂が開けていそう。
毎年夏に富士山の登ることが生きがいのマッチ君も、この展望には称賛しておりました。コース上から往復20分程度は離れていますが、天気が良さそうなら登ってみること推奨です。
八国見山の往復をしたら、震生湖方面へと進んでいきます。
渋沢丘陵はいったん登ってしまったら、ほとんど平坦で、八国見山の分岐からは緩やかに下っていきます。
そこそこ、ハイキングしている人はいますが、丹沢と比べると少なめです。トレランしている人の方が多いかな?
桜の名所にはなってないけど、桜咲く渋沢丘陵
民家のある場所に出てくると、桜並木がありました。
栃窪神社の案内があったので、渋沢丘陵のコースからまた外れますが、立ち寄ってみたいと思います。
麓から神社に向かって、桜が植えられているようでした。
栃窪神社に向かって歩いていくと、犬の吠える声が響きまくっていたので、ふと下を見たら犬舎がありました。ブリーダーの施設なのかな?
栃窪神社はとても簡素な神社でした。御嶽神社から、明治時代に改称したとあり、土地の守り神としての神社のようです。
桜並木ごしに丹沢の大山が映えるスポットです。
桜と言えば弘法山なので、渋沢丘陵にも桜が咲いてるなんて思いもしなかったです。
栃窪神社の往復寄り道を終えて、再び本線に戻ります。
畑が広がるのどかなあぜ道が続きます。
マッチ君とは中学・高校が一緒なので、「国道から離れると、こんな道ばっかだったよな」と言いながら歩いていました。
関東大震災の崩壊で出来た震生湖
しばらく歩いていると、「震生湖公園入口」と巨大な看板が設置されていました。
階段を下りていくと、森に囲まれた湖、震生湖がありました。
震生湖は1923年に発生した関東大震災で、渋沢丘陵が崩壊してできた湖です。地震で生まれた湖、震生湖というわけです。
湖畔には釣り人がたくさんいました。正式名称があるのかわからないけど、矢倉のようなものを建てて座っています。
湖畔には弁済天などもあったり。
節操なくどこにでもあるな、このポールは…。
震生湖を後にして、渋沢丘陵・震生湖コースはひとまず終了です。
そして、高台にある道からは、午後に歩く弘法山公園が見えました。桜の名所のはずだが、ポツポツしか咲いてないように見える。そして、麓の桜並木の方に目が行きます。
それでは、渋沢丘陵を下り、いったん秦野駅に方へと向かっていきます。
高台から見えていた桜並木を歩きます。
はだの桜みちと名が付けられていました。
神奈川県の県道なのですが、6.2キロに渡って、桜並木が続いているそうです。神奈川県内一番の長さだとか。
カーブになっている場所では、桜の木の感覚ごとにご婦人が座っていて、絵を描いていました。地元の絵画教室なのだろうか…。
桜並木を目的にドライブする人が多いのか、片側は車が進まずに渋滞してました。これ、ただの買い物に出かけたり、用事ある人には溜まったもんじゃないな…。
味とボリュームの店、三憩園で食べるラーメン
さて、すっかり午後になり、本日のお昼は「三憩園」にやってきました。横浜に三渓園という庭園があるが、そのもじりだろうか。
サブタイトルに「味とボリュームの店」とあるように、働く男の食堂のようです。
店主のイチ押しとあったチャーシューワンタンメン(1300円)を注文しました。ノーマルのラーメンが700円なので安いです。
ご対麺の一秒で「これ絶対うまいやつ」と確信できるラーメンです。
手打ちの縮れた太麵と油膜の張った醬油ラーメン。栃木出身の我々にとって、とても懐かしい味です。佐野ラーメンに似ているが、ちょっと濃い感じ。
丼の底からワンタンが出てきた。
しかし、ボリュームの店と言うだけあり、麵量が通常の2倍はありました。二郎系に限りなく近いフードファイトでした。
マッチ君の評価は、「このラーメンを食べに来るために、丹沢の山を登りに来る。」だそうです。
弘法山公園・吾妻山コース
小田急線の秦野駅から桜の咲く弘法山公園へ
さて、後半戦・午後の部は「弘法山公園・吾妻山コース」です。
スタートは秦野駅です。秦野駅と言えば、ヤビツ峠のバスが出ていて、早朝が行列できている駅です。さすがにこの時間は、登山者の姿はありませんでした。
駅前には秦野名水が湧き出ていました。丹沢山地の地下水が湧き出ているようです。
弘法山公園は駅から15~20分くらい掛かります。
水無川ハイキングコースがあるので、川沿いの歩道を行くと、信号待ちすることなくスムーズに目指せます。
川の名前の通り、水の流れがほとんどないです。
交通量の多い道路を渡ると、巨大な木のオブジェの弘法山公園入口がありました。
すでに、午後を回っていたこともあり、駅からここまでで、50人くらいのお花見ハイカーとすれ違いました。人気ですね。
さて、弘法山の登山開始です。スタートと同時に、元気な小さい子供が勢いよく登っていました。
公園ではあるのですが、道はしっかりと登山道です。しかも、結構な急斜面です。
「渋沢丘陵にはこんな急斜面なかったぞ…」そう思いながら、下山してくる人とたくさんすれ違いながら、登っていきました。
汗をかきながら階段を登り終えると、桜の咲く広場に出ました。
浅間山に到着しました。
登ってから知ったのですが、このコースはいくつかの山が連なってるんですね。てっきり、弘法山の一つだけだと思っていました。
浅間山からは富士山がよく見えます。
というのは嘘で、静岡方面が高曇りの天気になってしまい、完全に背景と同化してしまっていますが…。
気軽に来れると思っていたけど、登山を始めてから10年以上が経っちゃいました。
奥に進んでいくと、大山方面にソメイヨシノが群生していました。ちなみに、登山をせずとも駐車場から歩いてこれます。ただ、満車状態でしたけど。
公衆トイレいも入口の看板みたいに木の形してました。お花見シーズンは、トイレの数が足りるのかな…。
まだ、浅間山を登っただけなので、権現山と弘法山はまだ先です。熊出没注意の警告がある階段を登っていきます。
またまた、急な階段を登っていきます。
階段を登り終えると、展望台が見えてきました。
桜と富士山の展望台、お花見客でにぎわう権現山
展望台の周辺は、まさに公園で、たくさんのお花見客で賑わっていました。展望台の建築様式が、中華風?朝鮮風?なのが気になるところ。
青と黄の提灯が交互に飾られていたけど、これはご時世を象徴する的なものだろうか。
展望台のある場所が、弘法山だと思っていたんですが、権現山なんですね。
展望台から、まずは山側の風景。やはり、大山が目立ちます。
地図を眺めていると、大山からずっと歩いてこれるコースがあるみたい。
海側の展望です。遠くに海岸線が見えて、はっきり湘南にある江ノ島が見えます。さらに奥に見えるのは三浦半島です。
富士山と桜、この二つを見れるとこは限られるので、貴重な場所です。いやー、もうちょっと青空が出ていたら完璧だったのに…。
本来であれば、この山頂で山ご飯を作ったりするべきなのでしょう。今回は、ストイックな男二人のロングトレイル、いやロング散歩なので、展望台を後にします。
「森に生きる」というタイトルで、不気味な目をしたフクロウの頭に、赤ん坊の鬼(?)が胡坐をかいている石像がありました。
こういったタイプの像は、何かしらのトリックが仕組まれているホラーゲームでしか見たことないぞ。
権現山~弘法山は、桜並木が続いていました。
樹林に囲まれた静かな弘法山の山頂
弘法山の山頂に到着しました。
権現山の開けた雰囲気とは異なり、杉に囲まれた静かな山頂です。
弘法山のそれぞれの山にある山頂看板は、老舗の料亭みたいで豪華です。接合されていない一枚板なので、お金かかってそうです。
「乳の井戸」と名付けられた井戸もあり、牛乳が出るわけではないが、レバーと漕ぐとちゃんと水が出ます。
山の名の通り、弘法大師像が展示されている建物があります。
弘法大師が修業したことが由来のようですが、和歌山県の高野山が拠点なので、弟子の修行僧かか信者かも知れません。
弘法山にも桜がないわけじゃなく、広場中央に一本の桜が咲いていました。
さて、弘法山を後にして、吾妻山を経由して鶴巻温泉を目指します。鶴巻温泉まで、まだ3.9キロもある。
ここからは、公園ではなくなるのでハイキングコースになります。観光客が減り、リュックを背負った人がほとんどになります。
しばらくは平坦な道が続きます。樹林の隙間に見えるのは…夜のお花見会場です。
鳥型の方向案内板が素敵。
本日最後のピークである吾妻山に到着しました。
日本武尊が身を投げた親類のため、唄を読んだ場所らしいです。本当かどうかは伝説なので、誰にもわかりませんけど。
眺めがよく三浦半島と相模湾が良く見えます。神奈川にも田畑が結構あることもわかります。
吾妻山から若干ヌメヌメとした道を下り、鶴巻温泉の市街地に降りてきました。
高貴そうな野良猫が下山した場所でゴロゴロしていました。野良の毛並みじゃない。
大混雑の鶴巻温泉と、新鮮ボリュームのホルモン焼肉
鶴巻温泉の日帰り入浴施設「弘法の里湯」にやってきました。駐車場の警備の人が、ミニオンズみたいな制服着ていました。
湧き出る温泉の中にはカルシウムイオンが牛乳並に多く含まれており(1960mg/kg)、世界一の含有量である。
鶴巻温泉は、フューチャーされることは少ないが世界一の温泉です。
弘法の里湯は、駅から徒歩3分という立地なのに、風呂のキャパが狭いので、週末は登山客で大混雑です。入口にザックがあふれていました。しかも、ピーク中のピークの時間帯。ゆっくり落ち着いては、入れませんでした。
ちなみに、登山者のアメックス、モンベルカードを提示すると100円割引されます。
温泉の後に、お楽しみの焼肉です。前日に予約してやってきたのは「時代輪屋 (ときわや)」です。
鶴巻温泉では鶴巻ジビエを推していて、丹沢で採れた鹿やイノシシなどが食べられます。残念ながらこの日の入荷はなかったので食べられませんでしたが…。
17時に開店とあったけど、16時くらいからオープンしているのか先客が数組いました。温泉後に飲む、キンキンに冷えたビールがウマい。
先発は、冷ややっこでサッパリ。豆腐一丁をそのまま出されました。一人だとこれでお腹いっぱいになるな…。
ホルモンミックス(600円)を注文。写真じゃ伝わらないけど、量が凄い多い。
炭火であぶって食べるホルモンは本当に久しぶり。コロナ前に食べたので、2~3年ぶりかも…。
こちらはレバー、新鮮で分厚い。小皿に盛られたホルモンは、基本3人前はある。
サラダを注文したのだけど、バケツみたいなサイズの器で着丼。
リアルに「えっ、マジで」と声が出たし、狭い店内のお客さん全員が、びっくりしていました。ご飯を頼もうと思っていたが、これは不要。
そして、肉らしい肉が食べたくハラミ(800円)を注文。めっちゃ極厚です。これを都内で出したら、2000円くらい行くんじゃないだろうか…。
めちゃくちゃジューシーで柔らかく、差しの入った和牛より美味しかったです。ご飯、もとい大量のキャベツが進みました。珍しい苗字の店主さんと隣に座った登山客のおじさんとも会話が弾み、大満足の食事でした。
グルメサイトの評価は低くなってしまっているけど、間違いなく★4.5~5.0級のお店でした。会計も二人でたっぷり食べて、5000円いきませんでした。登山者で混んで欲しくないなぁ…。
すっかり暗くなって、鶴巻温泉から小田急線に乗って帰りました。
渋沢丘陵~弘法山公園のハイキングを終えて
「渋沢丘陵・震生湖コース」と「弘法山公園・吾妻山コース」の2つのコースを歩いて、トータル約20キロ歩きました。程よい疲労感で、温泉に気持ちよく入ることが出来、ラーメンと焼肉を罪悪感なくいただけました。オーバーカロリーなのは間違いないけど。
弘法山公園は元々、神奈川県で有数の桜の名所とは知っていました。今回、渋沢丘陵をプラスしたことによって、大山を望む栃窪神社の桜並木や「はだの桜みち」なども通ることが出来、桜を満載したハイキングコースにランクアップしました。
桜と富士山の風景が霞んでしまったのが心残りなので、来年以降また歩いてみたいと思います。そして、またラーメンと焼肉が食べたい。
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