2017年11月19日
東京都の高尾山に行ってきました。標高は599mです。決まり文句になっていますが、「世界一の登山者数」を誇り、ミシュランガイドに掲載されたことで、世界的に有名になりました。
世界一登山者が多い山で、登山者が最も多くなる紅葉最盛期に行ってきました。
北アルプスの涸沢、東北の栗駒山、栃木県の那須岳、北海道の大雪山、愛媛県の石鎚山などなど…。紅葉の名山・名所と呼ばれる山をたくさん歩いてきました。
「登山者が世界一の高尾山の紅葉を見ずに紅葉登山は語れない」と言う使命感と「一体どれほどの混雑ぶりになのだろうか」と言う関心から、敢えて紅葉の高尾山を旅してきました。
高尾山について
地図
高尾山口駅から、登りを6号路、下りを1号路を歩くコースです。
コースタイム
- 8:33高尾山口駅
- 8:536号路登山口
- 9:55高尾山山頂
- 10:11もみじ台
- 11:08薬王院
- 13:20高尾山口駅
行動時間は4時間47分でした。
紅葉最盛期で大混雑するコースを歩き、寄り道をたくさんしています。
アクセス
京王線の「高尾山口駅」です。JR中央線を利用する場合、高尾駅から京王線の「高尾駅」(←ややこしいけど高尾山口駅とは別)に乗り換え一駅。
LINK 高尾山のお得なきっぷ
京王線往復とケーブルカーまたはリフトを利用する場合、お得な「高尾山きっぷ」が発売されています。新宿駅から往復1380円。これだけ安く行ける山は中々ないです…。
混み具合について
この先越えられることのない記録があります。
例えば、音楽アルバムの売り上げ。史上最も売れた音楽アルバムはマイケルジャクソンの「スリラー(Thriller)」です。
その枚数は1億400万枚(公式は6500万枚)。2位のピンクフロイド「Dark Side Of The Moon」4500万枚、3位のイーグルス「Greatest Hits」4200万枚を見ると、物凄い売り上げです。CD等のメディア媒体が売れない時代で、この記録はこの先にも抜かれることはありません。
高尾山の年間登山者数をご存知でしょうか。
年間の登山者数は260万人を超え、富士山やエベレストを遥かに越えて、世界一の登山者数を誇っています。世界中では年間700万人が登山を楽しむそうですが、そのうち260万人が高尾山に来ると言うのです。
高尾山公式HPより
これを信じるならば世界の登山者数の700万人中の260万人と言うとてつもないシェアです。星の数ほど世界には山がありますが、その頂点に高尾山があるのです。世界有数の都市である東京から近いというビハインドにより、将来的に越えられることはないでしょう。
世界一の登山者がいる高尾山、そして紅葉のピークにどれほどの登山者がいるのか…。
前置きが長くなりました。高尾山の混雑具合、結論から見て頂きましょう。
京王線高尾山口の駅前。
通勤ラッシュ時の駅前でしょうか。これから登山に行く人たちで溢れ返っています。
高尾山の麓にあるケーブルカーの駅前広場。
出勤時のオフィスビルにおけるエレベーター待ちでしょうか。これから登山をする人、ケーブルカーに乗る人がたまっています。
高尾山の中腹にある薬王院。
休み明けの上司に承認印を貰うための列しょうか。参拝をする人が並んでいます。
高尾山の山頂。
飲み会が終わった後の「もう帰っていいのかな?」「あ、でも上司が今トイレに行ってるから待たなくちゃ」という居酒屋の前にいる集団でしょうか。
山頂の看板周辺に人だかりができています。
紅葉の時期の高尾山は、駅前から山頂まで混雑しています。
恐るべし、高尾山です。
高尾山初心者のルート選択です。京王線の高尾山口駅を出発し、6号路で登山しています。奥高尾入口のもみじ台で昼食、薬王院を参拝しています。下山は1号路を使用しています。
高尾山 紅葉ハイキング
京王線で新宿から最短40分の高尾山
世界一の乗降者数がある新宿駅から電車(京王線やJR中央線)で、1時間以内というアクセスの良さです。会社に行くより遅い時間に出発して、登山をできると言うのは週末ハイカーにとって、とてもありがたい存在です。
高尾山口駅(8:33)
2015年にリニューアルされた高尾山口駅。木材で構成された暖かみのあるデザインの駅舎に変わっていました。場末感のあるボウリング場のような駅舎からだいぶ様ざわりしました。
人の流れに沿って高尾山の登山口へと進んでいきます。朝からお土産屋が開店していて、焼き団子が次々と売れていました。
烏合の衆の如く登山者と観光客が入り乱れて、高尾山の方角へと進んで行きます。
高尾山ケーブルカー(8:47)
高尾山ケーブルカー駅に到着しました。
ケーブルカー駅は高尾山の登山道の基点になっています。コースの充実度はちょっとしたスキー場のような複雑のようです。
今回利用する6号路は紅葉期間中は登り一方通行になっていました。登り下りのすれ違いで渋滞することは必至のための対策なのでしょう。
朝9時前に到着しましたが、ケーブルカーに並ぶ列はなく、待ち時間なしで乗れているようでした。平日でも行列ができるケーブルカーですが、早朝に訪れれば混雑なく、利用できるようです。
山頂付近までトイレはないため、ケーブルカー駅で寄っておきましょう。
ケーブルカー駅の左手に進んでいき、6号路の入口を目指します。
自然研究路6号路から高尾山の山頂を目指す
6号路登山口(8:53)
ここが、高尾山の入口。
北は北海道の大雪山、南は鹿児島の屋久島を登山していますが、初めての高尾山、実に心が躍ります。
6号路を選択したのは、最も登山道っぽい雰囲気があると知り合いに聞いたからです。きちんと整地されていますが、登山道らしく土や岩の上を歩く道になっています。
高尾山の自然を学習できる看板が設置されていました。鳥や植物の生態が書かれています。
紅葉期はトレイルランすることを禁じられていました。
6号路はV字谷になっており、沢に沿って登山道が続いています。
山の合間を流れる沢のせせらぎを聞きながら歩けるのは、都会から切り離された自然を味わえます。いいじゃないか、高尾山。
大山橋(9:21)
対岸に渡ります。
登山者は他の山と比較すると多いですが、ストレスなく登ることができます。
谷のため太陽の光が届きにくいため、杉の木には苔がびっしりと着いていました。
6号路はずっと傾斜が緩やかな道が続き、非常に歩きやすいです。徐々に光も射してきて清々しい緑を感じます。しかし、紅葉は全然ありません…。
高尾山の水はやがて多摩川から東京湾へ。
終盤に差し掛かると沢の上を歩くようなコースになっていました。滑りやすく登山靴じゃないと少し厳しいかも。
山頂付近に差し掛かると階段登りが辛いです。6号路の終点に到着です。
今度来るときは尾根道を歩く稲荷山コースも良さそうです。高尾山の豊富なコースにすっかり高尾山フリークになりかけている自分がいました。
見上げると高尾山の頂上は後少しなようです。
ケーブルカーやリフトから登るメインルートと合流しました。立派なトイレ施設があります。さすが、世界一の山…。
全ての山にこの規模のトイレが欲しい。
6号路の静けさは無くなりました。
高尾山の山頂に向かって、ぞろぞろと列に並びます。紅葉も綺麗になってきました。
頂上直下は都心方面の眺めがあります。
ススキや赤や黄に紅葉した木々の向こうに都心のビル群を見下ろします。
富士山と都心のビル群を眺める高尾山の山頂
高尾山山頂(9:55)
6号路の登山口から1時間2分で山頂に到着しました。立ち止まり休憩をする程度で、至って普通のペースでした。
高尾山の山頂を示す看板(と言うより柱)は、写真撮影待ちの長蛇の列ができていました。360度の方向から撮れるのですが、一組づつ律義に並ぶ列ができるというのは日本人らしいです。
東京都心部を見渡すことができます。遠くには新宿の高層ビル群とスカイツリーが見えます。高尾山の麓が黄色くなって場所があり、銀杏並木になっている甲州街道です。
世界一の登山者が多い山頂風景です。
高尾山の山頂はコンクリートで整地されて、自動販売機や売店があったり、下手したら代々木公園より施設が整っているんじゃないでしょうかね?
怒涛のポテトチップスの入荷数。ポテトチップスの袋を持ってきて、高尾山だとどれくらい膨らむのかをやってみたかった。
山頂から数十メートル進むと展望スポットになっています。
正面中央に冠雪して白くなった富士山が見えました。
山頂を見渡すと外国人も多く、「紅葉+富士山」と言うジャパン丸出しの風景に興奮していました。写真に撮り忘れていましたが、南アルプス山脈も見えていました。
奥高尾縦走路は混雑が少なくなる登山者のエリア
高尾山の山頂は人で埋め尽くされており、昼食をとるような場所は皆無と言ってもいいです。そんな時は少し歩いて奥高尾方面に向かいます。
奥高尾縦走路は景信山やいくつかの峠を経て陣馬山まで続く、骨太な縦走路です。今回は縦走はしませんが、山頂から10分から15分で到着できる「もみじ台」を目指しました。
高尾山の山頂一帯と比べるとグッと登山者は減り、紅葉を静かに楽しめることができます。
もみじ台(10:11)
もみじ台にある「細田屋」でご飯を食べました。高尾山から下って、少しだけ登った場所にあります。
ここには巨大なもみじの木があり、真っ赤に染まっていました。もちろん展望も良く富士山を眺めることもできます。
いずれは体力をつけて、高尾山から陣馬山への縦走を果たしてみようと思います。
奥高尾は人が少なくなるので、おすすめです。裏高尾ともいうらしいです。幻の黒高尾、闇高尾などもあるかもしれません(嘘)
高尾山山頂(10:41)
もみじ台で昼食を食べ、再び高尾山の山頂に戻ってきました。高尾山の山頂は、渋谷駅のハチ公前になっていました。
高尾山薬王院を参拝
広大な境内を見学し、参拝する
薬王院(11:08)
高尾山の中腹にある薬王院(やくおういん)を参拝します。
真言宗智山派の寺院で、744年に開山された歴史があります。総本山は京都にあるようですが、千葉県成田山新勝寺と神奈川県川崎大師と共に関東三大本山と言われています。
ケーブルカーと山頂の中間地点にあり、参拝する人で行列ができていました。どこに行っても並びます…。
薬王院の境内は広大で見どころがたくさんあります。今回は混雑もあって全部を見て回る余裕はありませんでした。
本堂から少し上に行ったところにある御本社は狛犬ではなく天狗が祀られていました。高尾山薬王院は天狗信仰があります。
天狗は除災開運、災厄消除、招福万来など、衆生救済の利益を施す力を持っているようです。
八ヶ岳には天狗岳があり、天狗山という名前の山は全国各地にあり、天狗伝説は全国各地で目にします。
境内にある階段を登るも下るのも渋滞しています。
御守りや厄除け、数珠は豊富に取り揃えられています。
高尾山のお守りを車の後部に貼っている人ってよく見かけますよね?
高尾山薬王院の御朱印を頂く
さて、ここで2017年から始めた御朱印を貰います。ここでも行列ができていて、30分も列に並びました…。御朱印は4~5人体制で書いていましたが、それでも追いついていませんでした。
達筆な御朱印を頂けました。見ていると書き手により当たりハズレがありますねえ….。登山と御朱印集めは共存する趣味のため、早めに始めておくといいかも知れませんよ?
高尾山の下山後
高尾山の薬王院の参拝を終えて、1号路を通って駅を目指します。
参道である1号路は登山道ではなく、整備された道です。登山靴で歩くと舗装道の方が疲れるんですけどね。
12時を過ぎていますが、これから登ろうとする人が後を絶えません。
登山靴であれば1号路を使うより、登山道である6号路を歩いた方が良いです。
高尾山ケーブルカー(12:58)
ケーブルカーの麓駅に降りてきました。ケーブルカー待ちの列がえらいことになっていました。
高尾山599ミュージアムなるものがあったので見学してきました。入場料は無料でした。
体育館以上の広さがある吹き抜けのミュージアムで、高尾山の動植物に関する展示がしてあり、カフェが併設してあります。
スペースの割りに展示物がスッカスカ、異様に多いスタッフと疑問のある施設でしたが、トイレを貸していただきました。
高尾山口駅(13:20)
13時20分に高尾山口駅に戻ってきました。
のんびり5時間ほど高尾山の登山を楽しみました。1時間くらい列に並んでいる時間を含んでいるような気がしますがッ。
高尾山口駅から高尾駅に移動し、途中下車しました。
高尾山駅から少し歩くと甲州街道に出て、高尾山から見えていた銀杏並木を見に来ました。
街道沿いに黄色く染まった銀杏並木は見ごたえがあります。ちょうど、地域のお祭りをやっていました。西八王子駅まで歩きましたが、沿道がフリーマーケット状態で混雑し、意外と駅の区間が長いので後悔しました。高尾山駅に戻ることをお勧めします…。
高尾山 紅葉ハイキングを終えて
高尾山初心者でした。
景信山(かげのぶやま)から高尾山へと歩いたことは過去2回ありましたが、きちんと高尾山の山頂を踏んだ記憶はありません。また、学生時代にビアガーデンに来たことがあるくらいです。
とういうことで、正面から高尾山に登るのは、今回が初めての経験です。ああ、ようやく「高尾山?登ったことあるよ。」と答えることができます。
「待った~?!ごめん、電車一本乗り遅れちゃって」
「大丈夫、そんなに待ってないよ。行こ、行こ~。」
友達同士がショッピングの待ち合わせをするかのような会話が、駅前で聞こえてくる山は、高尾山くらいなものです。
「高尾山は世界で一番登られている。だから世界で一番良い山に決まっているだろ。」
あながちそうかもしれません…。
たくさんあるルートの選択、一緒に登る人、季節ごとの自然、気軽に来れるアクセスの良さ。いくつもの要素の組み合わせで、無限に楽しめる高尾山は、やはり世界一の山と思います。
山は混雑しない方が勿論いいですが、高尾山の混雑っぷりは超越していて、「これが世界で一番に人が集まるの紅葉の山なんだ」と、お祭りのような気分を味わえました。
日本各地の山を登っていますが、今となっての高尾山、純粋に楽しかったです。
「今度はいつ行こうかな?」
「新緑の時にフラっと行こうかな?」
「冬になったら鍋を作って食べたら良さそう?」
高尾山は長く味が楽しめるスルメマウンテンです。
高尾山のグルメ特集
今回の高尾山で登山で食べたグルメを別記事でまとめています。
どうぞ、併せてご確認ください。
高尾山の周辺にあるおすすめ山
陣馬山は高尾山の縦走路の先にあります。高尾駅から路線バスで登山することが可能です。高尾山より、より展望がよく、山頂には巨大な馬の像があります。
石老山は紅葉の時期でも人が少なく静かなハイキングを楽しめる山です。相模湖駅からバスが出ています。
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