2013年11月2日
長野県の美ヶ原に行ってきました。最高峰は王ヶ頭で2034mあります。
長野県のほぼ中央に位置しており、夏の高原リゾートとして多くの観光客が訪れる場所です。山頂は台地上の草原になっていて、牛の放牧場になっています。
何事においてもそうですが1から10を目指すのはステップを踏んでいけば、いずれ到達できるものです。しかし、0を1にするのは非常に難解でありながら、とても簡単なものです。
「登山を経験したことのない人に登山をはじめさせる」というのは、かなりハードルが高いことは登山をしている人なら誰でも感じることでしょう。
というわけで、今回のコンセプトはまさしく「登山経験なし」、「ザ・運動不足」の友人「ゆうすけ」を山に連れて行くというのが目的です。
登山初心者を連れての美ヶ原の旅スタートです。
美ヶ原登山
上信越自動車を経由して美ヶ原を目指す
実家の栃木を出発し、北関東道→関越道→上信越道と乗り継ぎます。 実家から僅か15分ほどで北関東道のICに乗れるようなっていました。
高速に乗るまで50分掛かっていた頃に比べるとだいぶ便利になったもんです。ICに行くまでが軽い旅だった。
横川サービスエリアに立ち寄り。
紅葉シーズンということもあり、観光バスがたくさん停車していました。サービスエリア駐車場を縦横無尽に横切ってくるおじちゃんおばちゃんは軽い恐怖。
上州名物焼きまんじゅうを食べる。 餅じゃなくてパンみたいなものだから、お腹膨れないんですよね。
妙義山の紅葉はピークといったところで、岩肌の斜面がびっしり黄色に染まっていました。
長野方面に抜けると浅間山の雄大なる姿。
栃木をほとんど出ることがなく、地理に全く疎いゆうすけに「あれが浅間山なんだぞ」と説明しても名前すら知らなかった。それどころが景色には目もくれず後部座席でずっとスマホでゲームしていました。
ちなみに中学校時代はゆうすけの家がたまり場になっており、Nintendo64でマリオカートやスマッシュブラザーズなどの対戦ゲームに明け暮れていました。
コントローラーを持ちよって、学校帰りに集合するのは恒例でした。
美ヶ原高原美術館からトレッキング開始
美ヶ原高原美術館に到着しました。 開店前に訪れる人なんてトレッキング客がくらいしかいないためガラガラ。
駐車場からは北アルプスの眺めがドーンと(ボケていますが)。 写真右の白馬方面に行くと雪が多いことがわかります。
ゆうすけはスニーカーにジーパンという典型的な「登山を観光ついでにやっちゃいました」スタイルです。 寒いし飲み水も少なくていいだろうという判断で、一つのサブザックにまとめ身軽。それを全くの新兵であるゆうすけに背負わせるという帝国陸軍スタイル。
さて、ここで登場人物を紹介します。
たちは本ブログでも度々登場するので、おなじみかと思います。新キャラであるゆうすけはたちと同様に小学校の頃からの友人であります。ゆうすけという男は給料のほとんどをゲームソフトに注ぎ込み、日夜レベル上げに勤しむゲーマーです。運動らしい運動はしたことがなく、アウトドアな趣味とはほぼ無縁の日常を送っています。
11月の3連休でたちとどっかに行こうという話になり、試しにゆうすけを誘ってみたらまさかの「行く」との返事。
美ヶ原ならゆうすけでも大丈夫だろうとなり、ハイキングだよと言って連れ出しました。 基本的には栃木県外にむしろ宇都宮市内から出ることがないゆうすけにとって長野県に行くというのは異例なことだったようで、
「(目的地まで)どれくらい掛かるの?」という問いに
「んー、3時間くらいかな」と答えると
「マジ!?そんな掛かんのかよ。」と地理感の全くわかっていない御様子。
そして、次に出た言葉は 「そんな掛かるのならDS(携帯ゲーム機)持ってくればよかった」でした。
美ヶ原高原美術館からちょっと戻った場所にある登山道入り口からスタート。
序盤の突破力が優れているゆうすけだが、すぐに息切れしていた。肉付きは小学校の頃から変わっておらずスタミナはない。
11月の標高2000mの紅葉は終わっているかと思いきや、カラマツの紅葉が少しだけ残っていました。
美術館の間を進んでいきます。
木枯らしが吹き付ける荒涼とした牧草地
そして、広がる美ヶ原の草原地帯。11月ということで緑の景観はありません。
木道を縫うように歩いていきます。晴れていますが若干風が強い。 2011年に来た時は、このあたりで土砂降りの雨にやられて撤退しました。
記事へ:【八ヶ岳】蓼科山 霧ヶ峰 美ヶ原日帰り登山 ~ 一日で3つの百名山に登る無謀な旅
八ヶ岳連峰の眺め。 美ヶ原は「八ヶ岳中信高原国定公園」に属しているものの結構距離がある。
小学校の体育の成績をおなさけで「2」をもらっていたでお馴染みのゆうすけでも、この美ヶ原を歩くことができます。
ということで全国民の94%は歩くことができるでしょう。
ケルンが積み上がっている一つのピークらしき場所に出ました。
長野県に中心部にある美ヶ原なので、信州の山々をたくさん眺められます。
たちは完全にタウン用のダウンジャケット。
一度、くだります。
先ほどのピークは牛伏山という名前だったみたいです。
ふる里館でピザパーティー
牛伏山をくだると売店が営業していました。 駐車場があったので、ここに停めたらちょっと楽だったんじゃないか。
「ちょっと風強くて寒いし、食堂も営業してるから温かいものでも飲んでいこうぜ。」
「というかもう帰ってもよくね?」 と、ゆうすけ談。
深緑色の陶器のコップに入れられて出てきたコーヒー。 美味しい。
!?
売店はいろんなメニューがあり、特にピザメニューが4~5種類ほどあったので、お腹減っていたこともあり注文しました。
早朝9時半からのピザパーティー。 定番のマルゲリータ。
最初は「美味しいのかよこんなピザ」と思って頼んだ、チーズピザにはちみつをかけたものが凄い美味しかった。
砂糖醤油のせんべえみたいに甘じょっぱく癖になる味。 この写真を見ながら書いているこの瞬間にも食べたい衝動に駆られる。
最後はカスタードとリンゴのデザートピザで締めます。 山で食べるピザは美味しゅうございます。
登山という本分を忘れてしまいそうになるので再出発。
牧場の中にある砂利道。 たまに王ヶ頭ホテルのシャトルバスが通過します。乗っている人達にあの人たちかわいそうみたいな目で見られていたような気がする。
11月ということもあり、牛は全く放牧されていません。
美しの塔からアルプス展望コースへ
牧場の中間地点にあったのは「美しの塔」
美しの塔は内部に入って鐘を鳴らすことができます。
色合いが非常に地味な我々は「美くし」とは程遠い存在であったことは間違いない。
すすきの穂が秋らしい。
やはり、夏の高山植物の時期に訪れるのが正しいのかも。 人が全くいないこの季節もいいのですが。
牧場の道はひたすら真っ直ぐで歩きやすいです。
塩くれ場という分岐点に到着。 中央分水嶺トレイルの看板が立っていました。霧ヶ峰と美ヶ原をつなぐ全長38キロのコースらしいです。
ちょっとおもしろそうですね。
地図上で「アルプス展望コース」となっている道へ向かいます。
美ヶ原より少し標高の低い場所はカラマツの紅葉が最盛を迎えていました。
アルプス展望コースは今までの車が通れる道とは違って、未舗装のトレッキングコースになっています。
若干、西側の天気が怪しい。
アルプス展望コースのアルプスは南アルプスのことを指しているのか、さっぱり見えません。
ダウンジャケットのせいで、こけしみたいなシルエットになっているたち。
ゆうすけの得意ポーズは「モンスターが現れた!」です。
岩陰にひっそりと咲く黄色い花。
アルプス展望コースはトレッキングコースなので、スニーカーできたゆうすけは少しの登りでも息を切らしている模様。
樹木は一切なく、とても眺めの良いコースです。 ちょっと雪が降り始めそうな雲が気になるが。
「ちょっと待て、なんで荷物を俺だけが持っているんだ」 と今更気づくゆうすけ。
水を3人で一リットル持ってきたけど、結局飲まなかった。
頂上である王ヶ頭には、王ヶ頭ホテルが建っています。 なので奥にある建物を目指せばゴールですが、山だと距離がちょっと遠く見えますよね。
素晴らしいカラマツの紅葉。
アルプス展望コースにはちょっとした岩場があるので是非遊びましょう。
ゆうすけは高所恐怖症なのか崖側には一切近寄りません。
頑張って覗きこもうとするゆうすけ。 カーキ色のジャケットが背景と同化してわかりにくいですが。
近づいているのかよくわからない王ヶ頭ホテル。
王ヶ頭ホテルに行く前に北アルプスの展望が良いらしい、王ヶ鼻に向かうことにしました。
ちょっと葉が落ちかけのカラマツ。
このモコモコした玉のある植物はなんでしょう。
松本市街地と北アルプスを展望できる王ヶ鼻
王ヶ鼻に到着です。
王ヶ鼻はちょっとした岩場になっていて、高度感のある場所にある岩好きな自分としては好きな場所。
王ヶ鼻からの西側の景色。長野県の松本市と北アルプスです。
常念岳でしょうか?
すでに北アルプスは人を寄せ付けない冬仕様です。
振り返ると美ヶ原が台地状の構造でわかる景色。
良い岩があったら乗るのが宿命。
何回も言うがカラマツの紅葉が綺麗。
美ヶ原は御嶽神社があります。 そのため、石像は木曽にある御嶽山の方向を向いているのだとか。
「ゆうすけも乗ってみろよ」と焚き付けるが、「ムリムリ」と看板にしがみつくので諦める。
王ヶ鼻から引き返すように戻ります。 美ヶ原の頂上にはたくさんのアンテナ塔が建っています。
長野県のほぼ中央ということで、重要な役割をになっているんでしょうね。
美ヶ原の最高峰の王ヶ頭
美ヶ原の最高地点である王ヶ頭に到着です。標高2034m。
ゆうすけの人生では一番高い場所にきたことになります。飛行機も乗ったことはないので。
三角地点もしっかりと踏んでおきます。コンバースの偽物で。
王ヶ頭ホテルの裏手にこじんまりとした御嶽神社があります。
とってつけた感じのある神社ですね。
狛犬さん。
標高2000mにずいぶん立派なホテルが建っているんですね。 登山者が利用できる食堂もあります。
さて、帰路につきます。
風はずっと強かったけど耐えれる範囲であり、天気が一日中持ってよかった。
帰りは朝に立ち寄った食堂で、山賊焼きがのったカレーライスを食べました。
食堂の店員さんに「山頂の景色良かったかい?」と尋ねられたゆうすけ。 コミュ症であるため、「気軽に話しかけてこないで欲しい」と接客はシステマチックなチェーン店のそれを好む模様。
一度、室内に入ってしまうと外にまた出て駐車場に戻るがすごく億劫。
美ヶ原高原美術館の駐車場に戻ってきました。 9時に出発して、13時41分戻り。だいぶ、ダラダラ歩きました。
下山後は公園付きの佐久にある布施温泉に立ち寄りました。
荒船山の帰りにも寄りましたっけ。
ゆうすけは露天風呂に入ろうとして、別のドアを開けようとしたら固定されていて開かず、そこで意地が焼けて露天風呂にやってきませんでした。
なんだこいつ。
帰りは道の駅に寄って、実家へのお土産を。
産直で下仁田ネギを買って帰りました。実家でネギ鍋にして食べましたが、トロトロで甘く食べごたえがあるので是非買ってみてください。
栃木に帰ってきたのはなんだかんだ19時をまわり、インター近くのレストランでまたピザを食って帰えりました。
美ヶ原の登山を終えて
美ヶ原をじっくり時間をかけて楽しんだ1日となりました。
ゆうすけという「登山初体験」、「運動不足」、「ひきこもり」、「コミュ障」、「放っておいたら髭ともみあげがくっつく」という人間でもぐるっと周ることができるので、きっと誰でも歩くことができるかと思います。
美ヶ原はこれから山を始める方、山を始めさせたい人がいる方等に最適な場所となっております。
ゆうすけの最終的な感想は「これくらいの山じゃないと行かない」でしたが。
百名山を踏破しようとしている人は美ヶ原は短時間で登れるボーナスステージ的な場所なのかもしれません。 登山を初めてブイブイ言わせていた2011年に蓼科山、霧ヶ峰、美ヶ原と比較的に短時間で登れる山を3つ続けて登る計画を実行しました。単純にピークハントで、霧ヶ峰と美ヶ原はウォークラリーの中継地点にしか思っていませんでした。今思うと愚の骨頂であり、それぞれの山は1日掛けて楽しむ要素が詰まっているとこを、2年の間に学びました。 霧ヶ峰に行った時は、舗装道を歩いて行って山頂を踏んだという行為しかしていません。
湿原を散策したり、ニッコウキスゲが咲く季節を楽しんでこそ本当に登ったと言えるのでしょう。 過去に登った山で、その山の旬を逃したと思う山はたくさんあります。それらを再び旅する日を楽しみに、これからも計画を続けていこうと感じる次第です。
コメント
こんばんわ
なんだろ?
very blueさんの画像にしては曇っていましたね。
ゆうすけ君のやる気のなさがそのまま映し出されたような・・w
それでも、昨今のアップ率は上昇気流ですね!
夏のボーナス前の駆け込みみたいなw
いやいや、更新楽しんでますよw
>sakuyaさん
朝の到着時点では快晴でしたね@x@
その後は、どんより雲が出てましたがずっと晴れていたので助かりました。
ゆうすけのやつは3時間程度のハイキングには来そうなので、これからもちょくちょく誘ってみようかと思います。
少し改心して更新を頑張りたいと思います。
いや~ニアミス。
2013の締めくくりに、
既に北アは雪の便りで南アにしようと向かったのが、11/3霧ヶ峰、11/4美ヶ原。
こんな事ってあるんですね。
>Royalさん
そうですね!
意外とブログをはじめ、Twitterやフェイスブックなどでも同じ日に登っていましたという報告を受けます。
何度か目撃情報もあるみたいで…。
まぁ、未だに話しかけられたことはありませんが!
美ヶ原行く前に参考になりました~
読んでて飽きないし、面白かったw
登山初心者なので、これからも参考にさせていただきます。
更新楽しみにしてま~す。
>たつよしさん
コメントありがとうございます。
美ヶ原はこれからの季節、新緑が気持ちよく、牛も放牧されているのでより楽しめそうです。
少しコースを外れたパノラマコースを歩かないと登山とも言えないので是非。
また、コメントよろしくお願いします。