関東の登山者に人気の5つの登山エリアの中距離編を紹介します。
前回は近場編として5つのエリアを紹介しましたが、今回は都心から100~200キロ離れた中距離編です。今回紹介するエリアは、電車とバスで日帰りできるけど、場合によっては車がないとアクセスが難しく、1泊が必要となるエリアです。
近場にある山が、1000m前後に対し、標高が2000mを越える山が多くなります。
人気の登山エリアベスト5
都心から北と西側に位置し、都心から100~200キロ離れています。エリアの分け方は昭文社発行の「山と高原地図」を参考にしています。
エリア | 都道府県 | 電車路線 |
---|---|---|
日光・那須 | 栃木 | 東武日光線・日光線・東北新幹線 |
谷川・上毛三山 | 群馬・新潟 | 高崎線・上越新幹線 |
奥秩父 | 山梨・長野・埼玉・東京 | 中央線 |
富士五湖 | 山梨・静岡 | 富士急行線 |
伊豆 | 静岡 | 伊豆急行 |
基本的に普通列車(鈍行)で日帰りできなくはないです。
現実的な時間に帰って来たい場合は、特急や新幹線を使う必要があります。近場と比べると2倍~3倍の交通費が掛かります。近場だと大体5000円前後で住みますが、6000円~18000円ほど。
日光・那須
栃木県の北部にあるエリアです。日光と那須の大きく二つに分かれます。
日光と言えば、日光東照宮や華厳の滝が有名な自然観光地ですが、登山的には華厳の滝と中禅寺湖がある奥日光エリアです。奥日光のシンボルは男体山で、栃木県を代表する山です。標高2000mを越える日光白根山、女峰山太郎山など登りごたえのある山があります。
中禅寺湖周辺や戦場ヶ原の湿原をトレッキングするコースがあるので、登山をやらない人でも自然を楽しめます。
那須と言えば、高原リゾートで温泉地で知られています。
那須岳は硫黄の臭いがし、火山特有の荒涼とした風景の中を歩くことができます。コースは無数にあり、短めのコースから温泉のある山小屋に宿泊できるなど、バリエーション豊富です。9月下旬頃から始まる紅葉は見事で、関東で最も早い紅葉になります。
栃木県の山は上高地や尾瀬などと比べると、マイカーでのアクセスが容易で、登山をするための敷居の低さが魅力です。ただ、紅葉時期の渋滞も有名。
谷川・上毛三山
群馬県は大きく、新潟と隣接する谷川岳のエリアと群馬県の中心である高崎・前橋から近い場所にある上毛三山エリアに大きく分かれます。
谷川岳のある上越国境と呼ばれる山脈は、標高2000mの山々が連なります。豪雪がもたらす開放的な稜線が魅力的です。新幹線を利用すれば、谷川岳や平標山など高山植物が咲く人気のエリアに日帰り可能です。
上毛三山は赤城山、榛名山、妙義山として、群馬県民にとって親しみのある山々です。
赤城山は日本百名山に数えられ、四季問わず登りやすい一座です。榛名山は温泉地で有名です。妙義山はロッククライミングのようなスリルある登山ができます。上毛三山以外にも鳴神山や荒船山など個性あふれる山々が多いです。
群馬県は日本でもトップレベルに名山が多い県です。尾瀬や奥只見など秘境の山は今回は除外しています。
奥秩父
奥秩父は東京都・埼玉県・山梨県・長野県の県境を東西に伸びる山塊です。
雲取山、大菩薩嶺、両神山、甲武信ヶ岳、金峰山、瑞牆山など、標高2000mを超える名山が密集しているエリアです。主脈と呼ばれる稜線上は、営業している小屋があり、四季問わず人気です。
標高の高い登山口まで道路が延びている金峰山、瑞牆山、大菩薩嶺は山頂までそこまで時間はかかりませんが、それ以外は山頂まで4時間~5時間かかる山深さ、登山者のタフさが要求されます。
奥秩父は山小屋にテント場が併設しているので、ベースキャンプにして金峰山と瑞牆山をそれぞれ登ったり、拠点を転々として縦走するコースを歩くことができます。
大菩薩嶺はアクセスが容易で、コースが短めなので一番登りやすい山です。金峰山は2599mで、日本でも有数の標高です。
富士五湖(富士山外輪)
山梨と静岡にまたがる富士山の周囲、富士五湖(本栖湖、精進湖、西湖、河口湖、山中湖)のエリアになります。
富士山の外輪は基本的に日帰り登山がメインで、また高速バスが通っているため、近場編に入れるか悩みました。意外と都心から距離があるため、中距離に加えました。
この一帯の魅力は、遮るものなく目の前にそびえる富士山の展望です。
代表的な山は三つ峠山で、富士山の展望は秀逸。この一帯では珍しく山小屋があります。
富士山の外輪山と言うことで、登山道の雰囲気は大きく差がなく伝えにくいです。緩やかな笹尾根、ススキの斜面、急峻な岩場が連続するなど個性が少しづつ変わっています。
富士五湖のある場所が標高高いため、山頂までの距離が意外と短めです。
富士山は説明不要だと思い除外しています。登りやすい山が多い印象ですが、外輪山らしい急な斜面、強烈な岩場がある山が中にはあります。
伊豆
静岡県の伊豆半島にある山です。
海水浴と温泉の観光地で、山岳エリアの印象としては薄いです。上記4つと比べるとあまり訪れる回数は少ないと思います。
代表的な山は、やはり天城山です。コース全体が樹林帯、本当に一部しか展望がありませんが、ブナの新緑とシャクナゲの咲く時期がおススメです。
また、伊豆稜線歩道という展望が開けたロングトレイルがあります。
さらに付け加えると同じ伊豆でも伊豆諸島があります。
伊豆大島には三原山、神津島には天上山、八丈島には八丈富士など離島登山ができます。東京から出ているフェリーで行くことができるので、離島登山に目をむけてみてはどうでしょうか。
伊豆は「登山」って感じの山が少なく、ハイキングコースが充実している印象です。自分も開拓不足な面があります。
まとめ
関東の登山者に人気の5つの登山エリア中距離編を紹介させて頂きました。
今回、わかりやすくするため無理やり5つにわけてます。日光と那須は完全に別エリアで、もっと細分化できます…。
近場の登山に慣れ、電車とバスの使い方がわかってきたら、今回紹介したエリアに足を運び始めると思います。一日に数本しかバスが無いこともざらで、自分の体力と時刻表を考慮した登山計画が必要になってきます。
上から3つのエリアは標高が2000mを越えるため、5月頃はまだ雪が残っており、奥多摩や丹沢とは環境が異なってきます。山小屋やテントで山中に1泊する場合、防寒着を新たに購入したり、ヘッドライトや調理器具を増やしたり、本格的に登山装備を増やす必要あります。
出身地の忖度により、個人的には栃木県の日光の山が好きです。交通費と標高の高さのコストパフォーマンスが良いです。
中距離にある5つのエリアをさらに飛び出すと、いよいよ標高3000m級や秘境エリアであるアルプス、八ヶ岳、尾瀬など全国各地の山に進出するようになります。
アルプス編は…特に書かない予定です…。
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