2012年7月22日
山形県と宮城県に跨る蔵王山に行ってきました。標高は熊野岳の1841mです。
夏は避暑を求める高原リゾート、冬は樹氷が発生するウィンターリゾートと、観光色の強い山です。駐車場から少し歩けば、火口湖である「お釜」を見ることが出来ます。
今回は両親を誘って、刈田岳~熊野岳のハイキングをしてきました。
東北は素晴らしい山々が揃っています。そして、登りやすい山も多く、蔵王山はその一つです。初夏を熱気を避け山形まで遠征し、午前中は蔵王、午後は山寺と旅してきました。
蔵王山について
地図
山頂レストハウスにある駐車場から、刈田岳と熊野岳を往復する一番簡単なコースを歩きました。
コースタイム
- 9:51蔵王山頂駐車場
- 10:14刈田岳
- 11:14熊野岳
- 11:55蔵王山頂駐車場
行動時間は2時間4分でした。
蔵王山(刈田岳・熊野岳) ハイキング
実家の栃木に帰り、東北道で宮城県から蔵王山へ
この週末は、土曜日に用事があり、実家である栃木県の宇都宮に帰省しました。日曜日は予定がなかったので、両親連れで蔵王山へと出かけることになりました。
6時に宇都宮を出発し、宮城の蔵王の最寄りである白石ICまでは2時間掛かりました。近いような遠いような。全国的に曇り予報でしたが、東北は薄っすらと雲が剝がれていくんじゃないかと期待を込めていきましたが、まさかの雨にも降られ、期待できない雰囲気に。
白石ICからしばらく下道を走り、蔵王連峰を横断している蔵王エコーラインに入りました。
深い霧の中で、ヘッドライトを付けながら、登っていきます。こりゃ、何も見えないかも…。
と、思っていたら、雲が抜けて、青空が見え始めました。
雲の上に出たー!!!
下界のジメジメした湿度から一変です。カラッとした清涼な空気が待っていてくれました。
蔵王山頂にある駐車場に到着しました。キャパ300台の巨大な駐車場です。さすが、東北有数の観光スポットです。
駐車料金は割引がきいていたのか、2012年当時は450円でした。
駐車場のすぐそばには蔵王山頂レストハウスがあり、食事を取ることもできます。
マイクロバスが数台到着し、高齢者グループを大量に降ろし始めました。そして、団体で運動開始。これが登山ブームか。
駐車所から徒歩1分の火口湖「お釜」、そして刈田岳の山頂
それでは、蔵王山の登山開始です。
歩ける母親は熊野岳まで、歩けない父親は刈田岳までの行程です。
ものの1分でお釜に到着しました。
エメラルドグリーンの火口を眺めることが出来ます。なかなかの迫力で、これが1分で見れるなんて蔵王凄い。
登山するつもりで帰省してなかったから、普通のボーダーTとハーフパンツ姿です。
お釜展望ポイントは柵で囲まれていました。火山岩が転がり、生々しい火山の風景。
火山の風景の中に普段着+サンダルの女性ってのが、なかなかにシュールな光景です。
お釜から階段を登ると、刈田嶺神社の奥宮があります。宮城県の麓、蔵王町に拝殿があるそうです。
開山期間中だけご神体が祀られているそうです。冬の間は麓に降りるとか。外観が白いのが珍しい。
というわけで、お釜から僅か5分足らずで、刈田岳の山頂に到着しました。標高は1758mです。
蔵王連峰は宮城県と山形県に属していますが、刈田岳はピュアな宮城県です。
刈田岳から見たお釜と、これから登る熊野岳の山頂方面。
蔵王国定公園の巨大な石碑と、そこらじゅうにケルンが積まれていました。
神聖な雰囲気を感じますが、狛犬のデザインはちょっぴりポップでした。
蔵王連峰の最高峰、熊野岳の山頂を目指す
それでは、ここからが登山の本番です。蔵王連峰の最高峰である熊野岳を目指します。登山と言っても、山頂まで片道40分程度です。時間が許す観光客でも目指すレベルです。
そして、ここからは山形と宮城の県境を歩いて行くことになります。
小型犬が悠々歩けてしまう程に整備されたコースです。
山形方面の展望もまた雲海になっていました。稼働していないリフトがエモいです。
火山らしい荒廃した雰囲気のある道で、植物がまるで生えていません。ビジュアル系のバンドが黒スーツを着て、ミュージックビデオを撮影したら映える場所ですな。
荒れ果てた大地にも花は咲く。岩と岩の隙間にコマクサが咲いていました。砂礫の中に群生をする花です。
馬の背と名付けられた坂道を登っていくと、分岐がありました。蔵王と言っても巨大な連峰なので、刈田岳~熊野岳でなく、たくさんの山があるんですね。
この分岐を熊野岳方面に進んでいきます。
熊野岳へと続く稜線は、砂礫の道です。コースを示す杭が等間隔に設置されています。
熊野岳避難小屋がありました。噴火が起きても火山弾から守ってくれそう。
分岐から10分も歩かないうちに、熊野岳の山頂が見えてきました。
周囲を石垣で囲まれている熊野神社。
ここの狛犬は前傾姿勢で、今にも襲い掛かってきそうなな戦闘態勢。
蔵王山の最高峰、熊野岳に到着です。
刈田岳から1時間しなくくらいでした。長野県の霧ヶ峰、美ヶ原に並ぶ、お手軽なピークハントでした。
徐々に下界の雲が沸き上がってきて、山形市街が見えてきました。さらに奥には朝日連峰の山並みも見えます。
朝日連峰は蔵王と違って、ガチ登山ですから、おいそれとは登れませんが、いつか日か…。
熊野岳から北には地蔵岳。山形県側のゲレンデがあります。
これほどまでの規模の大雲海は初めて見ました。ピョコっと頭が出ているのは、月山?や鳥海山?でしょうか。
普段、自然ツアーガイドをしているというおばちゃんが道行く人を集めて高山植物の解説をしていました。今日はプライベートで登っていて、見ず知らずの人にガイドしているらしいです。奇特な人がいるもんだ。
晴れることを全く持って予想していなかったので、日焼け対策をしておらず後で痛い目を見ることに…。
熊野岳から同じ道を引き返し、真ん丸なお釜を眺めながら下山しました。
駐車場で待っていた父親と合流し、山形方面へ下っていきます。今思えば、車を移動してもらい、蔵王温泉まで縦走すればよかった…。
歴史のある温泉施設や旅館の並ぶ中、新し目の日帰り入浴施設蔵「湯の花茶屋 新左衛門の湯」に立ち寄りました。
お昼過ぎだったので、そのまま温泉施設にあるレストランで食事にしました。
「十割そば」がイチ押しメニューだそうです。蔵王牛も食べられますが、ちょっとお値段する。
ざるそばでサッパリ。2時間くらいしか歩いてないので、蕎麦でもお腹が満たされました。
デザートに頼んだ「ずんだ豆ソフトクリーム」、これが美味しかった。砕いた豆粒がゴロゴロしています。
蔵王温泉は酸性強めの成分で、肌弱い人が入るとピリピリするらしいです。
自分も入ったらピリピリしましたが、生足で歩いていたので、日焼けのせいでした。
山寺観光
蔵王温泉から移動して、やってきたのは山形の観光地「山寺」です。蔵王から山寺は45分くらいなので、意外と近いです。
山寺というのは通称で、正式には立石寺です。
猫がたむろする駐車場に車を停めて観光。
宮城県仙台市と山形県山形市を結んでいるJR仙山線が通っています。
山間を走る路線に乗りたくてしょうがない病が発祥する。
お土産屋も営業しています。
山形名物たまこんにゃくはこの暑さにも関わらず、どこの店でも作っています。
拝観料300円を払い、いざ内部へ。
修業の場なのでとても山深いところです。切り立った岩壁が妙義山のようです。
そして、結構な階段を登る羽目になり、温泉に入った意味がない。
あじさいを初め、いろいろな花が植えられ、丁寧に手入れがされていました。
山寺の写真でよく見るのがこの風景かと。
15分くらい階段を登りつづけようやく奥の院に到着。
汗で背中がべっとり。
蝉の音だけが「ジジジ…」と聴こえるこの山深い寺で、少なからず「禅」を感じたような気がします。
五大堂の舞台から眺める景色がとても良かった。
山の緑と大きく沸き上がる白い雲、そして夕方に向かって徐々に朱に染まる青空と静かな街並み。
ほんと、日本の夏っていいですね。
なんだかんだで、玉こんにゃくは食べてしまう。
山形県内で作られているらしいパインサイダー。地ビールならぬ地サイダーってやつですね。
個人的にこの地サイダーのブームが来るんじゃないかと思っています。
この健康に悪そうな色がイイんじゃないですかッ!味はまぁパインっぽかったです。
松尾芭蕉の残した俳句の中でも、1,2を争う有名な句ですね。
山寺の観光を終えて、後はひたすら山形自動車道と東北自動車道で宇都宮まで帰り、その日のうちに東京へ帰りました。
相変わらずのみちのく弾丸ツアーを終えたのでした。
蔵王山のハイキングを終えて
今回の蔵王山は短いながら良いとこどりのコースでした。エメラルドグリーンのお釜、東北らしいのびのびとした稜線、火山の風景と温泉。登山をしない両親を連れて歩ける気楽なコースでした。
とわ言え、今回のコースは蔵王のごく一部。ショートケーキの苺だけを食べたようなものです。
真の蔵王を体感するには、南北に展開される縦走路や古道となっている登山道を歩いてこそだと思っています。
そして、冬の風物詩である樹氷も外せません。これから、何回かは蔵王に来ることになると思っています。
コメント
veryさんも、蔵王のお手軽コース歩かれていたんですね。
自分も全く同じコースで歩いています。
でもお手軽だってなんだって最高の景色が見れるならそれで良いですよね!
あの石で出来た避難所はなかに入れたので、入ってみたけどストーブもあって灯油ストックもあって
カチコチな感じの布団もあって
万が一の時には一晩くらいなら過ごせそうだなあと思いました。
避難の為の避難所です!と言った意味のこと書かれていたので、万が一の場合にしか泊まれないようだけれど。(^^;;
熊野岳山頂の景色が素晴らしかったので、蔵王のファンになり、また今月末に行ってきます。
自分はいつも蔵王くらいの距離だとお泊りなのだけど、ジンギスカン食堂2階を利用する宿が最高に良いのでお泊りで蔵王周辺という場合にはおススメです。
リーズナブルにお腹いっぱい羊が食べられますよ?(^^)
小さい内湯ですが、蔵王の湯を風情ある内湯を貸し切りで堪能出来ます。ぜひぜひ。(o^^o)
また長々と書いてしまいましたが
5月に由布岳に行ってきます。
veryさんのブログも見ました。
参考にさせて頂きますね。(^^)
本州から離れた山は初めてで、今からとても楽しみです。(o^^o)
>ユメミンさん
コメントありがとうございます。
山頂付近まで車で行ける割に蔵王は避難所がところどころにありますね。
冬にも行きましたが、避難小屋で食事をとりました。
宮城・山形側ともに温泉地や観光地が豊富で楽しいところですね。
また行きたいと思います。
確かに冬はゲレンデで仙台からのスキー客を大量収容できるようになっているはずなので、
宿は多くて安そうなのが多いですね。
秋に行ったときは4000円もしない宿に宿泊しました。
今度はちゃんとした宿に泊まって、ジンギスカンをいただこうと思います。
由布岳は瀬戸内海をのぞみ、温泉街の煙を見れる素晴らしい山です。
是非、楽しんできてください。