2019年5月26日
滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山に行ってきました。標高は1377mです。
東海道線新幹線に乗ると富士山の次に目を引き、東京から関西地方に行く場合、京都が近づいてきたと感じるのが伊吹山です。標高は1500mに満たない、他の名山と比べると低い山ですが、独自の高山植物が有名な山です。
個人的に訪れるのは2回目で、前回は2013年の冬に訪れているので6年ぶりです。
冬は登ったことにカウントしないマイルールがあるため、スリーシーズンでもう一度登りたかった山です。この日は日曜日、帰京のための渋滞、5月なのに異様な猛暑、この二つを回避するため、ナイトハイクで旅してきました。
伊吹山について
地図
コースタイム
- 2:14登山口
- 3:28三合目
- 5:09〜6:04伊吹山
- 8:04登山口
行動時間は5時間50分です。
伊吹山のナイトハイク
鹿や鳥の野生動物の声が響く、暗闇の登山道
彦根にあるスーパー銭湯を閉店ギリギリまで休憩し、伊吹山の登山口に到着したのが深夜2時ごろ。伊吹山の駐車場は基本的に有料。深夜に管理している人は不在のため、ナンバーを書いた封筒にお金を入れておくシステムでした。ここは300円だったので安い。
上着を一枚羽織ると肌寒いかなくらいの気温の中、闇夜の伊吹山、ナイトハイク開始です。山頂までは6キロの道のりです。
前日は夜通しからの金勝アルプス、そして京都観光からの仮眠なので、体力ゲージは30/100くらいです。鬼滅の刃くらいの戦闘の連続であります。
登山口から1合目の区間は樹林帯歩きで、ここが何気に辛かった。
深夜とは言え、Tシャツ一枚でも十分な暑さ。この辺りの公衆トイレと自販機は生きています。廃墟感があり、扉の奥にゾンビでもいそうな気配。
2合目~3合目と進んでいくが、3合目~4合目の区間が妙に長い。写真は真っ暗なので変わり映え無し。
例の自販機がありました。なんでこんなとこに設置されてるんでしょうか…。補充に来る人大変そうだな…。
半分の5合目に到着する。
依然として真っ暗。遠くから「キャン!!!!」という鹿の声、得体の知れない鳥の鳴き声だけが響く。
6合目~8合目あたりから見る夜景。夜景の切れている個所は、たぶん琵琶湖です。
8合目になってようやく明るくなった。
ナイトハイクしてる人は自分達の他に10人~15人くらいだったと思う。3合目辺りで抜かしていったトレランの人が降りてきた。景色的なのは度外視でトレーニング場なのだろうか。
かつては世界記録を出した豪雪の伊吹山。
4合目辺りからは樹林帯がなく、標高1500m未満の山とは思えない、森林限界っぷり。13歳で飛び級して、大学に入っている天才のような山です。
9合目の看板は無かったと思います。
ほぼ、山頂エリアになります。前回は冬だったので、一面の雪原でしたが、ちょっとした公園のように整備されていました。
さらっと書いてますが、累積標高差1160mあるので、結構ハードな道のりでした。
たくさんの売店がありますが、静まり返っています。
真夏の間は、確か未明の3時からスカイラインが通っていますが、5月時点は8時からしか営業しないため、ナイトハイクしていた登山者しかいません。
伊吹山の山頂で眺める朝日、そして山頂の風景
伊吹山の山頂に到着しました。
睡眠ファーストだったので、日の出を待つ到着は叶わなかった。まぁ、でもいい具合に昇ってきてよかった。
伊吹山は独立峰ですが、山頂は美ヶ原や霧ヶ峰のように山頂はまっ平らです。山頂一帯をくまなく歩きまわると、2時間くらいかかりそうです。
伊吹山ドライブウェイが山頂の手前まで伸びていて、駐車場が見えました。次回は観光ついでに楽して登りたい次第です。この伊吹山は登山道と山頂は滋賀だけど、ドライブウェイの始点は岐阜。岐阜の意地を感じる。
山頂から見える景色は、夏休みの海の家のようです。
ナイトハイクの良さはピーク時間帯を大幅に避けることが出来るので、山頂で「ずっと俺のターン!」をしていても問題ないところです。
日本神話の聖地巡礼をしている奇特な人がいるかは不明ですが、伊吹山はストーリー上重要なシーンで登場します。
ヤマトタケルは伊吹山に住むボスを倒しに行きました。
彼の武器、三種の神器の一つである天叢雲剣を嫁さんに預けてしまったので、素手でボスと戦いました。剣の加護を失ったヤマトタケルのダメージは大きく、帰る途中で亡くなってしまいました。
嫁さんはその剣を祀ったのが、今の名古屋にある熱田神宮になります。
歴史を知っておくと、より面白い伊吹山でした。
ストーリー的にはヤマトタケルは伊吹山で剣を装備していないのが正しいはずですが、果たして山頂にあるヤマトタケル像はどうでしょうか。実際に確認してみてください。画像検索すれば、見れますけど。
素手でボスを倒すとか、ヤマトタケルは”転生者”なのかも知れない。
伊吹山は歴史だけではなく、高山植物の宝庫です。時期によってお花畑が出現します。
5月下旬は黄色や白い花がとこどろこに咲いていました。季節ごとに咲く花が大きく変化するようです。伊吹山の名前が付いた花と言えば「イブキトラノオ」などが有名で、その他にも2~3あるようです。
立派なトイレがあり利用させてもらいました。山頂まで車で来れる山のトイレは一級品です。
山頂をぐるっと散策する余裕はなかったので、山頂から300mくらいをウロウロしました。スーパーの袋を片手に昇ってくる、単独女子が逞しい。
この日は天気は良いものの空気が霞んでいて、遠くの山脈までは見えませんでした。アルプスや御嶽山が見えるらしいです。
一等三角点がヤマトタケルの場所と50mくらい離れた場所にありました。正確にはこっちが山頂なのだろうか…?
平べったい伊吹山の山頂。
柵の外にはどう見ても北海道のマリモにしか見えない植物がコロコロしている。この陸地に育つマリモの正体は不明なままです。
標高1377mの伊吹山ですが、森林限界を越えているのは、比類なき山という感じ。
気持ちとしては時間をかけて一周したいところですが、東名の渋滞が何よりも怖いので、下山を開始します。
霞んだ向こうに琵琶湖、高山植物が呼吸する斜面を下る
伊吹山より西側、琵琶湖を一望できるはずの場所です。
霞が発生しているため、琵琶湖と空の境界がわからず。対岸には比叡山をはじめ、比良山地が見えるようです。
眼下には水田地帯が広がっています。そして、琵琶湖の東に位置する米原や長浜あたりの街です。長浜は観光に訪れても楽しいところで、焼きサバ素麺などの郷土料理が有名。
登っているときは真っ暗だったので気付きませんでしたが、黄色いイブキヤマガラシ(?)のお花畑が見事です。
伊吹山のベストシーズンはわかりませんが、5月下旬頃は間違いなく花盛りです。じっくり観察しながら歩けないのが残念です。
5合目まで戻ってきました。
自販機と山。人口と自然の融合、伊吹山の象徴的な風景です。
夏日の予報だったから1300mの伊吹山で登山する人はそんなにいないだろうと思っていましたが、たくさんの登山者とすれ違いました。
3合目まで来ると営業していないスキー場の施設がありました。
同じところで撮影した5月と2月(2013年)の比較。たった3か月でガラリと風景が変わるって山の自然の移り変わりって凄い。電柱の邪魔っぷりよ。
1合目の小屋までやってきたら、自販機でセブンアップを一気飲み。
1合目から登山口の階段区間では、100人以上の登山者とすれ違いました。気温が高いので、熱中症になる人が出るんじゃないか…。真夏日でもたくさんの人が山頂を目指す熱狂ぶり、伊吹山が人気の山であることを実感しました。
下山したのは8時4分。登山開始が2時14分だったので、約6時間の登山でした。
戦国ロマンを感じずにはいられない関ヶ原を後にし、岐阜へ移動。早朝営業しているスーパー銭湯で大量の汗を流しました。
岐阜に来たので食事の爪痕を残そうということで、味噌カツを食べました。やってきたのは岐阜県東大垣にある「うれし」です。
味噌カツは名古屋の食べ物だと思っていましたが、岐阜でもスタンダードなのですか?ひたひたの味噌ソースが美味しかった。
12時過ぎに岐阜を出発したこともあって、忌まわしき東名の渋滞を回避することに成功しました。自宅まで送ってもらったなべ氏には感謝しかない。
伊吹山のナイトハイクを終えて
雪山に続き、ナイトハイクとイレギュラーな登り方をしている伊吹山ですが、花の時期の魅力に触れられて良かったです。冬に登った時も広大な雪原に驚かされましたが、雪のない花の時期もずっと広がる緑の絨毯が素晴らしかったです。
春から秋にかけての伊吹山は1週間~2週間ごとに咲く花が変化するようで、次に訪れた時もまた違う表情を見せてくれそうです。
伊吹山ナイトハイクは良かったです。
基本的に一本道なので迷わなかったですし、何より30℃を越える暑さが避けられました。真夏でもナイトハイクであれば日陰のない登山道も怖くありません。
次回はスカイラインで登り、ソフトクリームをぺろぺろしながら、散策しようと思います。
コメント
あーなんかもう、めちゃ楽しそうで「山行きたいゲージ」が満タンになりました。
コメントありがとうございます。
行きたいゲージは自分も満タンですが、体力ゲージが小さくなってしまっているのが悩みです。とほほ。
ご無沙汰してます。
伊吹山へ登ろうとあちこち見ていたら、知らないうちに
veryblueさんにたどり着きました。
ナイトハイクは無理ですが、山頂でソフトクリームをペロペロしたいな。
また、時々おじゃまします
やま子さん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
伊吹山をぜひ楽しんでください。
夏は深夜でも車で行けるらしいですよ。
山頂でご来光を見てから、麓に戻って登山というの手ですね。そんなこと誰がするんでしょうか。
時々、よろしくお願い致します。