2020年9月22日
沖縄県西表島のピナイサーラの滝をトレッキングしてきました。落差54mの沖縄県で最も大きな滝です。ツアーに参加するのが一般的で、マングローブ林のカヤックとジャングルをトレッキングで、辿り着くことができます。
西表島のツアー会社の「ピナイサーラの滝カヤック&トレッキング一日ツアー」に参加しました。
透き通る青い海に囲まれた西表島、遥かな南の島。
島の大部分が山岳地帯、川沿いにはマングローブ林が広がり、ジャングルの奥地に幻の滝…。冒険心をくすぐるこの島は、ずっと前から憧れの地でした。果たして幻のイリオモテヤマネコと出会えるのか!?
日本の最南にある自然を旅してきました。
ピナイサーラの滝トレッキングツアー
石垣島からフェリーに乗って、マングローブ林の西表島へ
石垣島離島ターミナルから西表島へ。
西表島には大原港と上原港の二つの港があるが、ツアー会社指定の港に向かう。当初は、上原港だったが本州に接近している台風の影響で波があるらしく、直前で大原港に変更された。予定より1時間早く石垣島を出発した。
ちなみに前日は沖縄最高峰の於茂登岳を登っていた。西表島の名前の由来は、沖縄では西を「いり」と読み、於茂登岳の西にあるから「いりおもて」という説があるとか。
石垣島→西表島は1600円。40分前後の船旅。
始発の便は観光客はまだ少なく、空いているかなと思いきや、工事関係の人たちで満席になった。離島から離島へ出勤する光景に非日常を感じた。
ヒナイ川を遡上し、ピナイサーラの滝の登山口へ
写真がすっ飛んでしまっているが、大原港でガイドさんと合流し、その他の参加者が宿泊する宿でピックアップ、ツアー会社が利用できる駐車場へ移動した。そこで、カヤック操作のレクチャーされました。
防水バック、シューズ、カヤックのパドル、ライフジャケットがレンタルされ、ペットボトルの水一本がおまけ。参加者は濡れても良い格好で来ることが条件でした。カメラは濡れるとまずいからと置いてくことを推奨されたので、小さいコンデジだけを持っていきます。
カヤック楽しいわぁ…。
思い通りに進めるようになるまで、15分くらいかかったかな?ヒナイ川の流れはとても穏やかで、初心者の自分でも問題なく漕げます。
マングローブに囲まれた川をカヤックで進んでいく、まさにジャングルを冒険している感覚です。石垣島でも橋の上からマングローブが見れたけれど、近くで見ると森が浮いてるようで感動した。
登山を生業にしていると、ツアー代を払いなれていないせいで、自力でピナイサーラの滝に行けないかを考えたりもした。しかし、自力で行かず良かった…。前日の於茂登岳のような苦い体験になった気がする。
しばらくして、山から落ちるピナイサーラの滝が見えてきた。
普段はスマホとキーボードを操作する指しか使わないものだから、腕がパンパンになりましたよ。
西表島特有の植物と虫と爬虫類、ジャングルトレッキング
接岸ポイントでカヤックを降りて、ここからトレッキング開始。滝つぼに行くコースと滝上に行くコースで分岐している。まずは、滝上を目指します。
ライフジャケットを脱いで、防水バックだけをもって移動開始。
道幅は狭いけど、ツアーに組まれるだけあって、とても歩きやすい。石垣島の野底岳(マーペー岳)、於茂登岳とは雲泥の差。
道中では、ガイドさんが西表島の生態について解説してくれる。西表島にしかいない爬虫類や見たことのない足長蜘蛛を見つけることができた。
人が近寄っても警戒心のないキノボリトカゲ。
沖縄らしくハブにも遭遇した。顔が土の中だったため、問題なく通過できた。登山で蛇を見たのは、8月下旬に行った新潟県の越後駒ヶ岳ぶり。
ちなみに、この島のアイドルまた生態系の頂点である「イリオモテヤマネコ」は相当運がよくないとみられないらしい。登山で熊に遭遇する確率より低いんだろうか…。
最後だけ下りになっていて、ロープが張ってあるくらいには険しい。
ピナイサーラの滝の上で水遊びとソーキそばランチ
スタート地点のボード接岸場所から40分で、ピナイサーラの滝上に到着しました。
ツアーのスタートが予定より早くなったことにより、滝の上は誰もいませんでした。しばらくは独占状態です。
滝を見るには腹ばいになって覗き込む。落ちたら54m、ビル20階くらいから飛び降りるのと同じ。
テドウ山という標高440mの山から穏やかに流れる渓流。このツアーでは奥まで行くことは禁止されてます。西表島で登山はメジャーではないが、ちょっと興味ある。
西表島から北の方角の展望が開けています。奥にうっすらと見える陸地は人口が40~50人しかいない鳩間島です。離島中の離島。
この滝の上でランチタイム。ガイドさんがソーキそばを作ってくれました。アルプスでテント泊しそうな巨大ザックで来ていたのは、八重山そばとスープを人数分運んでくれていたのだ。
男性陣に配られたソーキそばは特盛を越える量でしたが、カヤックとトレッキングで体を動かしたので、汁まで残さずペロリ。石垣島に来て既に3杯目、飽きがこないのは沖縄マジックなのか。
滝は数多く見たけど、滝の真上、崖っぷちまで来るのも初めての体験でした。1時間くらいのんびり過ごしたら、後半戦のため下山開始。
ピナイサーラの滝の滝の動画です。10秒にまとめています。
サキシマスオウの板根とウルトラマンの実
西表島の川べりにはサキシマスオウの木が自生しています。オーロラのようにたなびく「板根」が見事です。熱帯雨林の湿った土壌で、巨木を支えるために、このような形になっているらしいです。
鹿児島県の奄美大島以南の島で見られるようですが、西表島のサキシマスオウは国内最大級だとか。世界には5mを越える板根があるらしいです。
地面にサキシマスオウの実が転がっていました。リンゴのように美味しそうな見た目をしていますが、食べられないそうです。毒があるとか?
早熟の実と熟成しきった実。
楕円形に一本のライン、この形はあのウルトラマンのモデルになったらしいです。子供の頃、ウルトラマンからタロウくらいまでの怪獣の身長と体重を全て暗記していたウルトラ博士の自分でも知らなかった…。
登山で今まで見てきた何もかもと違っていて、西表島の自然は新鮮です。
ピナイサーラの滝壺に飛び込む
ボートの接岸地点に戻り、ライフジャケットだけ回収して、ピナイサーラの滝つぼへを目指します。カヤック用のシューズは足をぎちぎちに詰めるから爪が痛くなる人が多発。
ピナイサーラの滝の下に到着。
落差54mを間近に見ると迫力があります。スコール直後だと更に迫力があるらしい。10m以上離れていますが、水飛沫がかかる。
ここでは、滝壺に飛び込んで遊びました。沖縄の暑さを忘れさせてくれる水の冷たでクールダウン。深いところではギリギリ足が届かないので、ライフジャケットを来てないと沈む沈む。
トレッキングは終了。カヤックでスタート地点に戻りました。いやー、楽しかった。
その後は、参加者それぞれ港や宿泊地に送り届けてもらい解散。後日、ガイドさんが撮影した写真データをもらいました。天気も台風が来ていたので不安だったけど、本州にそれたので快晴で良かった。
宿泊先は「西表エコビレッジ」というホテル。大きな集落と集落の間にあるので、周りに何もないところにあります。
宿泊客があまりおらず、オーシャンビューの一番いい部屋に案内されました。遠くには石垣島が見え、プールがある。一応入ったけど、夕方はさすがに海風が強くて寒かった。難があるとすれば、芝生にヤギの糞が結構転がってる…。
一人あたりGoToトラベル使い、食事込み1万円ちょっとでした。いつもは外に食べに行くけど、周りはジャングルしか無い…。
ジャングルから聞こえる何かしらの鳴き声、虫の音、海岸に打ち上げられる波の音、とても心地よい雑音です。3日連続でトレッキングしていることもあり、ぐっすり寝る前に見た西表島の星空は、忘れられない美しさでした。
永遠に休みが続かないかな…。
ピナイサーラの滝のツアーを終えて
東京より、台湾やフィリピンが近く、高温・多湿の亜熱帯海洋性気候の西表島。
文明の支配が及んでない原生林、広大なマングローブと穏やかに流れる川、日本では限られた未開な風景がありました。標高1900mの山が連なる屋久島と違って、標高500mの未満の山しかないので、登山というより、自然のフィールドで冒険をしに来る島だと思います。
ピナイサーラの滝はまだまだ入口にある滝で、奥地にはマリユドゥの滝やマヤグスクの滝などさらなる秘境があります。船でしか行けない集落があったり、南部は道路もない本当に開拓されていないエリアがあります。
西表島には観光含め2泊3日いましたが、まだまだやり残したことがたくさん。また、訪れたくなる島が一つ増えました。
コメント
なんか、日本ではなく東南アジアのテイストがありますね。
沖縄と一口にいってもいろいろあるんだなとわかりました。
Kindergartenさん
コメントありがとうございます。
西表島や石垣島をはじめとする先島諸島は東南アジアムードを感じますね…。
まだ、本島にすら行けていないので、沖縄もめぐってみたいです。
西表島、いい所ですよね。
1回目はシーカヤックやって、ピナイサーラ登って、川に飛び込んでと、アクティビティ詰め込み旅。
2回目はレンタカーでドライブ旅。
白浜港まで行って戻る以外の道は無いですが、自分のペースで景色を楽しめて、西表島の空気に合ってる過ごし方はこっちかも?と感じました。
ぜひveryblueさんも再訪してみてくださいー。
コメントありがとうございます。
西表島はまた行きたいです。
自分は時間がなかったので、星の砂浜までしか行けませんでしたが、のんびり島時間を味わうものいいですね。
白浜港より先、船でしか行けない舟浮集落も行ってみたいです。
ああ、休みがいっぱいもらえないかなぁあ。